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占星術:宮の順序の意味

どうも、星見夜 天炯(ほしみや てんけい)です。
今回は星座の配置順について語らせて頂こうと思います。

この内容は西洋隠秘学(オカルティズムの事、長いので以下「隠秘学」とします。)と錬金術の本を読んでいる際にふと思いついたことなので、確固たる説がある訳では無いです。

しかし、各根拠はきちんと提示出来ますし、自分としてはかなり納得出来るので共有したいと思い、記事にしました。

さて、本題に入ります。

火の最初の星座は牡羊座、水の最初の星座は蟹座です。
火と水は活動宮から始まります。これは何故でしょうか?

西洋隠秘学や錬金術において、風と土の元素は火と水の子供です。
このことから考えてみましょう。

子供が生まれるためには、2者間の結び付きが必須ですよね。最近はそうでも無いかもしれませんが、錬金術や隠秘学の思想が生まれた時期はそうではありません。
この結び付きを、錬金術では結婚と呼びます。
つまり、火と水が結婚する必要があるんですね。

これをいきなり言われると困惑しますよね。火と水の結婚だなんて。普通に考えたら消火されてしまうだけでしょう。

というわけで、ここに【トートの書】の言葉を引用させていただきます。

トートの書の著者であるアレイスター・クロウリーさんは女性蔑視的な側面を持つため、その辺は現代風に変えさせていただきます。

錬金術師の用語では、化学現象は、便宜上「四大」の表象の元に分類される。

能動性(かつて父と呼ばれた)と受動性(かつて母と呼ばれた)は完全な合体を成して0に戻ることもできるが、物質に突入して合体し、

・受動的だが、「能動的な親」に似た子供
(風・かつて息子と呼ばれた)
・能動的だが、「受動的な親」に似た子供
(土・かつて娘と呼ばれた)

 を生み出すことも出来る。

(中略)

火、最も純粋で活動的。
水、最も純粋で受動的。
それらの結合(結婚)したものは両方に関係する元素になる。


トートの書
※トートの書を読んでいる方なら首を傾げるような引用の仕方ですが、ここでは「父ー母ー息子」の式は主題に沿わないためこのような形とさせていただきました。

この引用から火と水の結婚が必要な事は分かっていただけたのではないでしょうか?

よって、結婚する必要がある=自らが能動的に動く必要があるので、活動宮から始まるのです。

一方、土と風は生み出されるものであるため、どちらも受動的な性質を持ちます。

では土と風に目を向けましょう。

生まれたものは最初、その本質しか持っていません。

生まれてすぐの赤ちゃんは、生き物としての欲求しか持っていませんよね?
知性、感覚が発達するのは成長を待たねばなりません。

元素もそれと同じで、土は物質に拘る(悪い意味ではありません)性質が、風は周囲へ吹き抜けるように広く伝わる性質が強く出るのです。

土は不動宮(1つのものを深掘りするが、あまり動かない)から、風は柔軟宮(多角的視野を持つが、自己主張は少ない)から始まるのはこの理屈によるものです。


これで牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座がそれぞれの宮に配属される事は理解されたと思います。

次に5~8番目の宮について……ではなく9~12番目の宮について考えてみましょう。

スタートとゴールが1番大切な為です。起点と終点さえ分かれば、中間は分からなくとも大丈夫ですからね。

結論から言いますと、最後の宮ではその元素の最初の性質から最も離れた宮の性質を獲得すると考えられます。

再び、火と水の夫婦について着目します。
火は射手座、水は魚座でどちらも柔軟宮ですよね。

火は内から燃え上がる情熱を、水はひたすら湧き出る共感を意味しますから、本来は手加減を考えるのは苦手です。

火と水は、とりあえず始めることに拘る活動宮、1つの事にとことん拘る不動宮の後に、多角的視野に拘る柔軟宮が来るのです。

活動宮と不動宮を経験して極端な静と動のバランスを身につけたからこそ、このふたつの元素は多角的視野を持って立ち回ることが可能になったのです。

次に、土を見てみます。山羊座は活動宮です。土という元素は動きたがらず、牡牛座では最初に与えられた物質(体や財産)にばかり拘っていました。

しかし、山羊座は活動宮です。土はとうとう重い腰を上げて、物質を自ら獲得しに行けるようになったのです。

最後に、風を見てみましょう。
水瓶座は不動宮です。
柔軟で多角的視野を持ち、広く浅く吹き渡るものとして生まれた風は、代わりに自らの主張をあまり持ちませんでした。
しかし、この地点で一定の地点に留まることができるようになります。
つまり、自分の意見を持つようになったのですね。


この話を聞くと、元素が持っていた元々の性質を失ってしまうと危惧する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、心配はいりません。

占星術では、真逆の相反する要素を取り入れて成長するというのが目標であり、基本思想です。

松村潔先生の名著、サビアン占星術 愛蔵版から引用させていただきます。

星座のちょうど180度反対側にある対抗星座(真逆の性質を持つ星座のこと:ex自分中心・個性的な獅子座ー非自分中心・没個性的な水瓶座)
が、侵入してきます。
これはある星座を進んでいる惑星に対して、その惑星が全く気が付かない影の部分に気づかせ、盲点をえぐる事で、結果的にその星座を進む惑星の姿勢を強くするための材料を提供します。

つまり、より強く性質を出すために敢えて盲点だった要素を取り込んでいるのです。

さらに、こう聞くと前半の星座は成長していないのではないか?と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、これも違います。

前半の星座は元素の純粋なパワーに満ちているのですから、勢いや突破力は後半の星座では前半の星座へ及びません。


以上のことから【最後の宮では元素が最も苦手としていた事を行えるようになった】という考え方は正しいように思えます。

ふと思いついたネタの共有でした。
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。

また会える日を願って


2021/6/22
月を含む水の3星座のグランドトラインが山羊座の冥王星へ流れ込む時。

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