見出し画像

NTT法の見直しについてメモ(1/2)

昨日12日、総務省でNTT法の見直しに関する有識者会議が開かれました。KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの社長も出席し、3社から反対表明・意見提出もなされたようです。

そもそもNTT法の見直しとは、国がNTT株を3分の1以上保有することを定めた同法律を見直すことで、防衛費財源確保のために売却してしまおうというものです。またNTT法では『固定電話の全国一律サービス提供義務』や『研究成果の対外的な開示義務』もあり、これらがNTTの国際競争力低下を招いているとの懸念もあったため、それもついでに見直そうとしています。

NTTは目下、2030年頃に商用化が見込まれる「6G」において世界の標準規格を獲得しようと、新しい光技術を使った通信基盤「IOWN構想」を提唱しており、これらの技術開発に注力する中、研究成果の開示義務は技術流出を招きかねないという懸念がかねてよりありました。

ちなみに「アイオン」と読むそうです。IOWN構想については本題から逸れるので省略しますが、ざっくり言うとこれまで『電気→光→電気』で通信していたのを『光→光』で完結できるすごい技術です。参考までに関連銘柄を株探で調べておいたので一番下に列挙しておきます。


本題に戻ります。


法による規制が撤廃されれば、当然NTTにとっては利点が多いです。このまま完全民営化されればインフラ設備を独占する巨大企業として、自由競争を阻害する可能性があるとKDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの3社は反対しています。

NTTは日本電信電話公社の独占時代に築いた光ファイバーの整備に必要な電柱や管路などのインフラ設備を引き継ぎ、現在は全国の光ファイバー設備の74%をNTT(NTT東日本とNTT西日本)が持ち民営化から38年たった今も優位な立場を保っています。将来6Gになれば、さらに多くの基地局が必要になり、光ファイバーの重要性は高まります。

携帯は無線通信ですが、その基地局の先は結局有線(光ファイバー)で繋がっています。つまり裏ではNTTが牛耳ってるわけです。

KDDIなどは使用料を払ってNTTが敷いた光ファイバー設備を利用しています。これは個人的な意見ですが、たとえば極端な話、NTT法が撤廃されるとNTTドコモを優遇したりとかできちゃうわけです。

ところでNTTの消費電力量をご存じでしょうか。NTTの事業全体(オフィス・通信設備)では日本全体の消費電力量の1%もの電力を使っています。数字で見るとNTTがいかに膨大な設備を有しているか実感できると思います。

ここまでは、ググればたくさん出てくるし最近よく報道されているような内容です。

ここからは憶測を含みます。

じゃあ完全民営化したらどこが儲かるの?という話です。あくまで個人的な予想ですが、NTTは完全民営化せず、NTTを親とした通信インフラの維持運用を目的とした別会社を設立・分社化させ、キャリア各社との自由競争を維持するものと予想します。同時に、別

ここまで書いたところで、閣下(妻)に見せたところ「長すぎてこんなの誰も読まないよ」と仰られたので一旦やめて2/2に分割します。

------------------

・投資テーマ『IOWN構想』

NTT、インテル、ソニーの3社は、さまざまな業界から参加パートナーを募り、協力してIOWN構想の実現・普及をめざすIOWN Global Forumを立ち上げました。

これをIOWN GFといいます。参画している上場企業(関連銘柄)は以下の通りです。

日産化学 <4021> [東証P]、イビデン <4062> [東証P]、信越化学工業 <4063> [東証P]、三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]、住友ベークライト <4203> [東証P]、東洋インキSCホールディングス <4634> [東証P]、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> [東証P]、AGC <5201> [東証P]、三菱マテリアル <5711> [東証P]、古河電気工業 <5801> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]、フジクラ <5803> [東証P]、ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]、アンリツ <6754> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、村田製作所 <6981> [東証P]、オリンパス <7733> [東証P]、リコー <7752> [東証P]、凸版印刷 <7911> [東証P]、大日本印刷 <7912> [東証P]、KDDI <9433> [東証P]、SCSK <9719> [東証P]、ピアズ <7066> [東証G] 、スカパーJSATホールディングス <9412> [東証P]、IMAGICA GROUP <6879> [東証P]、ACCESS <4813> [東証P]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?