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付帯道路施設工に準拠: モバイル端末で計測してみる

「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」、令和6年(2024)版がリリースされ色々と面白い改訂がありました。

その中でも、第16編 付帯道路施設工等編で、モバイル端末や地上写真測量も使えるようになりました。実際のところは、一見モバイル端末であっても、点群を写真から生成する場合は地上写真測量の分類に入るようです。

ひとまず、LiDARベースのモバイルアプリはモバイル端末として扱って、PIX4Dcatchのように画像から点群を生成する場合は、記載の通り地上写真測量として扱ってしまって差し支えないと思います。

この16編は、身近なものだと標識やガードレールを含むようです。基本はTLSのような機器で点群を取って、モバイル機器で補完するようなイメージだと想定しています。手元にTLSを持っていないので、今回はPIX4Dcatchだけを使って、試しに計測していきます。

交差点を持って歩く

早速、外に出て近場の交差点を撮っていきます。歩道から始めて、標識やガードレールを撮り、横断歩道を渡り、対岸にある設備などを撮りました。

計測した範囲は、点密度が十分ある範囲でおおよそ230平米ぐらい。自動車や歩行者を避けながら、信号待ちも2回ぐらいあったので、撮影時間は5分程度でした。(実業務だったら、複数名で作業するのでいいんでしょうが、一人だと車に轢かれるんじゃないかとちょっと怖かったです。)

点群の質は結構いいんじゃないでしょうか?交差点を広く撮っているので、この場所を訪れたことのない方も、その場のイメージなど湧くんじゃないでしょうか?

標識の取得例

「わたるな」の標識や、速度制限の標識もちゃんと撮れています。「わたるな」の標識の方は、路駐してあった自転車が寄りかかっていましたが、点群からは除去しました。その関係で、ガードレールの点群が一部抜けています。速度制限の標識は、支柱の根本が茂みで隠れていたのですが、断面を切ると意外と地盤が分かりますね。

信号の上の標識を撮ってみる

信号の上にある標識は、歩道を渡るときに、モバイルをその方向に向けて撮って行きます。他の歩行者を先に行かせて、左折待ちの車が曲がった後に自分も歩き出します。撮影時間は、信号を渡るだけなので、10秒ぐらいでした。

信号機の撮影パス

アプリの設定で、デフォルトの1Kモード(2.8メガピクセル)と、4Kモード(8.3メガピクセル)が選べるので両方試しました。

信号機と案内標識。左が1Kで撮影、右は4Kで撮影

点群の密度で比べると、4Kで撮った方が高いです。とは言ってもどちらも点群だけからでも、標識の「渋谷区役所前」の文字が読めるほどなので、寸法を測るのには十分かと思います。精度面では、どちらのモードで撮っても寸法には大差ありませんでした。

点群から各種の計測。標識が意外と大きくてびっくり。

標識の高さを測ってみると、6.3mでした。この周辺のデータをTLSやMMSで撮った点群があれば、精度の比較対象になっていいのですが。。。というか、標識の幅、1.2mもあるんですね。高い位置にあるので意識したことないですが、意外と大きい。

静岡県に行けば、Virtual ShizuokaのデータセットでMMS点群も公開しているので、今度静岡に出掛けることがあったら試してみることにします。

まとめ

ということで、今回は路上にある身近なものを計測してみる回でした。付帯道路施設工にモバイルが適用されたということを聞き付けて、スキャンしてみました。ミリミリとした精度確認ではありませんが、夢が広がりますね。


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