『グッドバイ、バッドマガジンズ』


いうまでもないことですけど日本語には漢字ひらがなカタカナがあって、明朝体とゴシック体とその他諸々のフォントが綺羅星のごとくあって、その組み合わせで無限に表現ができるわけですよ。これってほんと美しいなって(フォントとほんとをかけてます。なんてね)。

なんの話かというと、『グッドバイ、バッドマガジンズ』という映画を観たんですけどね。
主人公はエロ雑誌の編集者をしてるんですけど、新入りからどうやって欲情を煽る文章を書いたらいいか聞かれるシーンがあって、エロワードを散りばめた文を思いつくまま羅列していくんだけど、そこでその文字がスクリーンにタイプされるんです。で、そのフォントがね。明朝体とゴシック体を散りばめストロークを変え、じつに豊かで味のある文章に仕上がるの。これは文章の力もさることながら文字そのものの力がね、すごくいい。こういうの大好き。
フォントを開発する仕事に就きたいなぁ。今からじゃ遅いんだろうか。どうやったらなれるんだろう。

まあ、でもね。
主人公たちが出版するエロ雑誌っていうのは、もはやAVメーカーが提供するサンプル動画を再編集してDVDにしたものを包装するパッケージ程度のものになっちゃってるの。
活字なんか必要ない、と思われてるんだ。
それに対して主人公は、それも時代と受け入れつつも、最後まで活字にこだわり抗っていき、その中で成長していくんだけど、その姿が非常によろしかったです。
いい映画だったなぁ。
また年末ぐらいにネタバレを含みつつわたくし個人の歴史と照らし合わせた感想を書きたい。
いまはまだちょっと時期尚早なので。
観てくださいとしか言えない。観てね。

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