神の道化師、フランチェスコ

ロッセリーニの映画。何年前に見たんだろう。深夜テレビでやってたの。昔はこんな映画を地上波でやっていたんだ。
おおかた忘れてしまっているんだけど、ところどころ印象深く覚えているシーンがあって。
ある日聖者になる前のフランチェスコが癩病の患者と出会うんだ。
その時代の癩病の人は、それとわかる目印を身につけることを強制されていて。
それを見たフランチェスコが不憫に思い、祈りと癒しを施そうと、ハグだのなんだのするんだ。
でも、癩病患者はそれを静かに払いのけて、どこかへ去っていき、フランチェスコはその場に泣き崩れるの。

お正月から大きな災害があって、大変いたましく、苦しんでいる人のために何かをしなくちゃいけないという気持ちになるのは、当然のことだと思うし、自分に何ができるか知るためにも、当事者の声を聞きたい、寄り添いたいと考えるのは、いいことだと思う。
だけど、その人らの苦しみを推し量るために、傷口を見せてくれと頼むようなことは、私はいやだな。
好きで苦しんでるわけじゃないんだから。
見られたくないでしょ、そんな姿。
お金があるなら募金。その上で神を信じるなら祈る。
それ以上は私にはできない。

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