私はなぜ『映画大好きポンポさん』が嫌いなのか、そしてゆりやんさんのこと

『映画大好きポンポさん』っていうアニメ映画があるんですよ。Filmarksで☆4.1です。評判いいです。あらすじはというと、
《敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン(略)。ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが…なんと、監督に指名されたのはジーンだった!(略)》
とある。
で、まあ、タイトルの通りなんですけど。この映画がねー、大嫌いなんです。

なぜかというと、ようはプロデューサーがプロデューサーの仕事をしてないんですよ。
たとえば、撮影中俳優が思いつきで危険なことをしようとする。
あるいは編集を受け持ったジーンが毎晩泊まり込みでヘロヘロになりながら作業を続けている。
これね、どっちも命に関わる危険なことじゃないですか。
でもポンポさんはそれには触れない。

あるプロデューサーさんがね、プロデューサーの仕事とは「1番に作品の安全性、2番は完成責任、3番は予算の管理」だとおっしゃっていたんですよ。
ほんとこれに尽きると思うんです。
ポンポさんはプロデューサーとして一番大事な俳優やスタッフの安全を守ってない。
ポンポさんが、映画は金を産む卵に過ぎぬ、ヒットすればなんでもええんや。という人ならね、別にそれでもいいんですよ。でもさー、『映画大好き』なんでしょ?
あなたが愛する映画って、なんなん?
映画愛があるプロデューサーがそんな仕事する?
だから私はポンポさんなんかに『映画大好き』と称して欲しくない。
少なくとも私の思う映画愛とポンポさんがいう映画愛はまったくの別物なのです。

や、まあ、別にポンポさん好きですっていう人と喧嘩するために書いてるわけじゃないので、ポンポさんが好きだという人は、こういう意見の人もいるんだなーって読み飛ばしていただくか、なんかヤなもの見ちゃったなと、コウガイビルとかジャンボタニシの卵でも見た時くらいの心境でいてくれたらそれでいいんですけど。
なんで急にこんなことを書いたかというとですね、先日ゆりやんレトリィバァさんがドラマの撮影中に大怪我をなさったというニュースを見ましてね。

ゆりやんさん悪役レスラーの役で30キロも増量した上でプロレスシーンの撮影で頭部から落ちる動きを100回以上も繰り返していたというじゃないですか。
これさ、プロデューサーの鈴木おさむ氏はなにやってんの?
役者の安全を守れないプロデューサーなんて失格なんですよ。
たまたま無傷ならよい、軽症なら笑い話、大怪我したけど治ったからよかった、みたいな話じゃないんです。

監督の白石和彌氏にしてみてもね、去年の今頃映画界を変えようパワハラセクハラをなくそうと御高説を唱えていらして、それは大変素晴らしいことだと思った矢先にこのざまで、一体どういうつもりなのか詳しく説明してもらおうじゃないの。という気になるし、あと関係ないけど仮面ライダーBLACK SUNくっそつまんねーな!と言ってやりたいけれども、それ以上にダメなのはプロデューサーよ。ほんともう論外だよ。

ほんとねー、みんな口ではコンプラだの映画界の改善だのなんだのというけどさー、結局はポンポさんの『映画愛』と一緒なのよ。
ことこれにおいてはもう、怒りしかない。
そしてゆりやんレトリィバァさん、どうか快癒されますように。

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