由宇子の天秤

佐久間宣行さんのYouTubeチャンネルに東野幸治さんが2022年に見たオススメのエンタメ作品を紹介するという動画があったので見ていたら、映画『由宇子の天秤』に高い点数がつけられていてうれしかった。
2021年の映画ですけど、これね。いいですよね。

主人公の木下由宇子はドキュメンタリー番組のディレクターで、3年前に起きた女子高生自殺の真相を追いかけてるんです。
一方彼女の父親は学習塾を経営していて、安いお金で貧しい子たちに勉強を教えている。
とても立派なお父さんで、それが由宇子の人格を形成したことは手に取るようにわかるわけです。
でもね。
ある女生徒(父親と二人暮らしでとても貧しい子なんです)が、チョコチップスナックを食べていると、由宇子が一本とって食べちゃうシーンがあって。
それを見た瞬間、あれ?なんか違うな。と。
お金がある人にとってのチョコチップスナックはおやつかもしれんけど、貧乏な家の子のチョコチップスナックは主食じゃないですか。
わたし自身もそれは身に沁みて理解しているので、彼女のチョコチップスナックをじゃがりこ一本もらうような感じでとっていく由宇子が、なんだかすごく嫌な人というか、なんもわかってねーなこいつという、ちょっと違った見え方がしてきたんです。
そしてその勘は、当たるんだなー。
また一方でその貧しい彼女がね、iPhoneを使ってるんですよ。
そこでね、あれ?この子じつはそこまで貧乏でもない?という疑問が浮かんできて。
これは単に気が利いてないだけなのかもしれないんですけどね。
たとえば韓国映画『82年生まれ、キム・ジヨン』だと、比較的裕福なジヨンたちはiPhoneユーザーで、事業に失敗して比較的生活が苦しい父母たちはAndroidを持っているという対比がされていて見事な演出だなと思ったりしたんですけど、『由宇子の天秤』はたまたまそうじゃなかったというだけのことなのかもしれませんけどね。
でもね。じつはその疑問がどうやら真相なのではという展開があって。
それがねー。こわいこわい。
まあね。これ以上は言いませんので、まだ見てない方はぜひぜひ。オススメです。


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