『激怒』

今日は健康診断だもんで、そんな日に限ってわけのわからん時間に目が覚めるし、空腹で胃袋は唸りをあげているが慰めてやることもできないし、とりあえずチェンソーマン見ちゃったしチェンソーマン2部も読んじゃったし、することもないので今年観た映画の感想を書いていこうかなと思う。そうこうしてる間に夜も明けるでしょ。今回は高橋ヨシキ監督作『激怒』です。毎回毎回映画を観ちゃイライラしわけのわからぬ駄文を垂れ流しているがついに怒髪天をついた、というわけではなく、そういうタイトルの作品です。

わりと序盤に出てくる主人公の深間(川瀬陽太さん)が車を発進させるシーンが無茶苦茶かっこよくて。おぉーこれは!と思ったんですけどね。そこが一番かっこよかったという。

刑事がなんで市民より強いかというと、つまるところ銃を持ってるからです。拳銃を携帯していない(持っていたのかもしれないけど使わない)深間はなんぼキレたら怖いもの知らずで暴れ散らすゆうてもね。所詮ただのおっちゃんやからね。これがマドンソクくらいのガタイだったらそりゃ逆らったらやべーなってなるけど、チャカ持ってへんのやったらいけるやろみたいなところは感じちゃう。だから深間には拳銃使って欲しかったなぁ。深間がキレる合図にも使えたし。人を撃つ必要はないんよ。調子こいたクソリーマンをシメるシーンとか、天井に一発撃ってビビらせてから拳でフルボッコにするとかでもよかったと思うよ。中盤復職した深間に対して後輩が、先輩は研修中みたいなものだから銃は携帯できないみたいなことを言うシーンがあったけど、そんなセリフを入れるならなおのこと。
鬼畜どもの酒宴でブチ切れ大暴走しなかった理由も署へ愛用の拳銃を取りに向かうからでよかったし、たとえばそこで左遷されて遺失物管理窓口かなんかにいる前署長の手回しで拳銃を受け取るとかでもよかった。そんでいざ使おうとしたら外部からロックかけられてて撃てないみたいな展開でもよかったし、最後は拳銃から抜いた弾丸を町長の口の中に押し込んで喰らわせてぶん殴るスペック花山薫戦みたいなのでもきっとかっこよかったと思う。
この最終決戦がいかんせんつっこみどころ多すぎなんだよなぁ。2階に立て篭ってる相手にほっそい階段をぞろぞろ上って殴り込むってそんなアホな敵いないでしょ。べつに建物に火を放って焼き殺してもいいんだし、出てきたらそこを取り囲んでボコせばいいだけなんだし。なんなら下の階でバルサン焚いたっていいじゃん。なんでわざわざみんなで殺されにいく?
最終決戦は町中走り回って大乱闘にして欲しかったところ。予算的なあれがあれなんだろうけど。

要するにこれは安倍政権下で調子に乗ってる連中をボコしてやるという映画だったわけだけど、現実の方がはるかに映画的になってしまいましたからね…発表するタイミングがもうすこしはやければ。半年遅かった。
ただね、こういうエクスプロイテーション映画を今この時代にやろうっていうのは、それがもたらす成果はともかく、わたしはいいと思うんだ。いま映画作りの敷居は相当低くなってるので、この作品を見て「こんなんやったらわいにも出来るわ」と思う人が涌いてきたらそれが一番いいんじゃないの?そんでみんなもっとデタラメをやろう。こんな作品が産まれるのは世の中が悪いんだからみんな俺の作品を見てもっと苦しめばいいというようなイカれたクリエイターたちが野に放たれる日が来るのを願ってる。


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