ぼっち・ざ・ろっく!

率直にいうと、わたしは疲れていた。
疲という字は見てのとおり、やまいだれに皮と書くわけだが、この字を見るといつも、ミケランジェロの大作『最後の審判』を思い出す。あの作品の中でミケランジェロは自らの姿を聖バルトロマイが持つ、くったくたでしわしわの皮として描いているが、これぞまさしく『疲』の姿そのものであり、ここから疲という漢字が出来たのではないかと思うくらいである。
や、まあ、それは別に今する話でもなかったが。
納税の義務や寒さや痛飲その他諸々の日常の澱がわたしを苛み苦しめ疲れさせているわけだが、とりわけこのところのわたしを疲れさせていたのが、チェンソーマンである。
わたしは基本的に水曜日が休みなので、近頃はさっぱり夜更かしができない体になっているのだが、火曜の夜中だけは多少無理が効くので、頑張って起きてチェンソーマンを見てから眠りにつき、朝起きてはYouTubeで外国人がチェンソーマンを見てるリアクション動画を立て続けに見るという日々を過ごしていた。
それは確かにおもしろく、おかげでわたしの一週間はすこしだけ早く感じられるようになっていた。
だが。
やっぱねー、疲れるのよね。
体力的な問題が大きいんだけど、それ以上になんというかこう…ストレスを感じることが多くなってきて。
このままだとチェンソーマンが嫌いになるかもしれないな。と思いはじめた頃、それは突然あらわれた。
ぼっち・ざ・ろっく!である。
芳文社コミックスのアニメ化でしょ?どうせまたいつものあんな感じのでしょ?
と思いつつ、なんとなく1話を見たら、これがおもしろくて。
そうだよこういうのでいいんだよ。と、チェンソーマン疲れで生じたわたしの心の隙間を埋めてくれた。
チェンソーマンが北風だとしたらぼっち・ざ・ろっく!は太陽といえる。
いまではすっかりぼっちちゃんのとりこ。
ほんとありがとう。サンキューギターヒーローフォーエバーギターヒーロー。
今年のベストアニメの座はぼっち・ざ・ろっく!に与えたい。




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