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治外法権

別荘地に住み始めて7年目。
つくづく、ここは治外法権(広義の意味)だと思う。
自治会に入らなくても良いから、地域の奉仕活動は一切無い。
ゴミ当番も無いし、回覧板も回ってこない。

そして、標高400メートルの山の上なので、飛び込みの営業は、ほぼ来ない。
定住者が少ないので近所付き合いも、ほとんど無い。
家に引きこもっていれば誰とも接触しないで済む。
宅配便や郵便局の配達員とたまに顔を合わせる程度だ。

孤独を厭わない者に取っては天国かもしれない。
自分に取っても、もちろん天国だ。
食料の買い出しや、ちょっと気晴らしに町に出るのは億劫だが、それすら息抜きと考えればどうという事はない。

どうして、こんな自由気ままが許されるんだろう?
別荘地というものに住むまでは、世の中に、こんな場所がある事を知らなかった。
もちろん、誰にとっても天国というわけでは無い。
孤独が耐えられない人も中には居るだろう。

だから、万人にオススメというわけではないし、現役世代にはリモートワークでも無い限り、不便かもしれない。
それでも、セカンドライフに別荘地暮らしはメリットが多いと思う。

こんな暮らしを送るには管理費を支払って、自治会や町内会が担う仕事の肩代わりを管理組合にしてもらわなければならないが、管理費と言っても、首都圏のマンションに住む事を考えれば、大きい額では無い。
自分の場合は、横浜で2DK のマンションに住んでいた頃に比べれば、管理費は半額以下になった。

とは言え、家の修繕費は自腹だ。
ある程度は貯めておかないと、家がボロボロになってしまう。
まぁ、それも自分が生きている間の事なので、たいした額にはならないはず。
それに、これは例え市街地に住んでいたとしても必要な費用だし。

いろいろな事を勘案してみても、やっぱり別荘地暮らしはメリットがあると思う。
なんなら居住地の「穴場」と言っても良いかもしれない。
もっとも、クルマやバイクが運転出来なくなったら話は別だ。
自分が住んでいる別荘地には、1日2往復のタウンバスが走っているが、あまり利用した事は無い。
運行時間が午前中から午後早い時間で終わってしまうので使いづらいのだ。

とにかく、自力で移動出来なくなったら、ここでの生活は終わりかもしれない。
だから精一杯、健康には気を付けないと。
「治外法権」というのは、本来、外国人の高官が訪問した国の法律に縛られないという意味だが、別荘地の暮らしは、ある意味、町や市などの行政に縛られない暮らしと言えるのではないだろうか・・・。


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