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「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」を読んで困惑する・・・。

伊豆の山の中でセカンドライフを送っているペースケです。
私は、約半年前から「糖質制限」を始めたのですが、血圧が正常になり、体重も20キロほど減って「糖質制限」は正しかった・・・と思い始めていました。

ところが、今回、この津川友介著「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を読んで、ちょっと迷っています。

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まず、著者は、医療政策学者で医師であり、科学的根拠を明らかにする研究をしている人です。
だから、科学的なエビデンスに関しては、専門家中の専門家と言えます。
その人が「糖質制限」を始め、世の中に出回っている「食の嘘」を追求しているのですから困惑するのが当たり前です。

結論から言うと、私が実践している「糖質制限」に関しては、白い炭水化物(ご飯と小麦)を食べないと言う点は共通していましたが、赤肉(牛・豚・羊など)やバターなどの飽和脂肪酸は、心疾患や癌のリスクを高めるので食べない方がいいらしいです。
それと茶色い炭水化物(玄米や蕎麦など)は、逆に食べた方が良いとのこと。

この本のポイントは「科学的なエビデンス」を一番重要視している点です。
その「科学的なエビデンス」にも種類があり、「ランダム化比較試験」と「観察研究」に分けられます。

「ランダム化比較試験」と言うのは、被験者をランダムに抽出して、例えば、白いご飯を食べるグループと食べないグループに分けて比較する手法です。
一方「観察研究」とは、すでに白いご飯を食べてないグループと、そうでないグループを観察して、どんな差が出るかを研究する手法です。
後者には、白いご飯を食べる食べない以前に、元々、片方のグループの方が健康志向であるとか、肥満気味であるとかの要素が混在するので厳格ではありません。

また、複数の研究結果を取りまとめた「メタアナリシス」と呼ばれる研究手法もあり、これが最も信頼性が高いと言っています。
しかし、その「メタアナリシス」の中にも「複数のランダム化比較試験研究」をまとめたものと、複数の「観察研究」をまとめたもの、「ランダム比較研究と観察研究」が混在したものの3つがあり、最強の中でも最強なのが「複数のランダム化比較試験をまとめたメタアナリシス」です。

著者の津川氏はまた、研究結果と言うものに確実なものは無く、どんどん書き換えられていくものだが、「メタアナリシス」で証明された結果は、ほぼ不動の存在だと言っています。

例えば、この本に書かれている食品に関する記述の例を挙げると、健康に良いとされている野菜などに含まれる「βカロテン」が、実は単体で摂取すると発ガン性リスクを高めるとかトマトなどに含まれる「リコピン」には、明確に癌や心筋梗塞の予防や死亡率の低下に効果があると言う研究結果は無い・・・など、「えっ?」と思うような研究結果が、たくさん出て来ます。

「糖質制限」に関しても、米や小麦などの炭水化物を取らず、タンパク質と脂肪は多めに食べるという方法論は間違いで、茶色い炭水化物(玄米や蕎麦など)を食べ、牛や豚などの赤肉とバターなどの飽和脂肪酸は避けるなど、かなり見解が違います。

結局のところ、津川氏が言う究極の食事とは「魚・野菜・メロン以外の果物・茶色い炭水化物・オリーブオイル・ナッツ類」で、一般的に糖質制限でタブーとされる果物は、摂取しても良い食材となっています。(但し、フルーツジュースは加糖されてなくても NG )
また「ダークチョコレート・コーヒー・納豆・ヨーグルト・酢・豆乳・お茶」は、弱いエビデンスではあるものの、身体に良いかもしれないと言っています。

一方で、身体に悪い食材は「赤肉・加工肉(ソーセージやハム)・白い炭水化物・バターなどの飽和脂肪酸」だそうです。

それ以外の食材に関しては、まだ信頼できるエビデンスが無いとの事。
いかがでしょう。皆さんは、どう思いますか?

私は正直、困惑しています。
一体、何が正しくて、何が間違いなのか?
まぁ、客観的に考えれば、強いエビデンスに裏打ちされた津川氏の言う事が、正しいんじゃないかという気もしますが・・・。

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