読書感想文『開業医やってみたけどダメでした: 勤務医から開業医になっていまはフリーターです』

開業医、言い響きです。
マンションや土地のインフレがすすむ2022年の春において、医師一人の稼ぎでは都会にそこそこ(人によってそこそこの定義は大きく異なりますが)のマンションや一軒家を持つのは既に不可能です。
それに加えて、子供が中途半端に勉強が出来た場合は教育に重課金が必要となります(完全にバカだと課金せずに子供に現金や有価証券を残した方がいい場合もあります)。教育費と住居費、この二つは勤務医にとって強敵なことは論を待たないと思います。
その2正面作戦を突破するのが、昔は開業医することだったと思います。
医師が開業すると多くの場合はウハクリとなり、ウハとまでいかなくても勤務医よりもはるかに収益が残せたのです。
それも今となっては昔の話です。

開業された先生の苦悩が読めます。
前回のnote読書感想文『勤務医の転職: 我慢したけどダメでした』
https://note.com/110119mail/n/na5aa45e2c557
と比べて開業して人を使っておられた分ずいぶんと大人な医師です。

医師のキャリア(笑)を考える時に、勤務医→開業医、ハイパー→ハイポは通常一方通行であることが多いんです。もちろん開業が失敗して開業医→勤務医のケースもあるのですが、その感想を聞くことが圧倒的に少ないんです。
敗軍の将は兵を語らずと言いますが、開業を失敗された先生は通常、まとまった文章をブログで残したりはしないんですね。その意味では貴重な本です。開業して集客が出来ない→その次の展開が面白かったです。お客が集まらない局面で、この先生は寧ろ積極的に戦線を拡大しておられます。

読んでみて、昔は医局勤務勤務医が嫌で、今のようにフリーの医師になることも一般的ではない時代なら開業医もありだと思うのですが、自分の人的資産や金融資産+銀行から金を借りてレバレッジをかける従来の開業styleは私には無理だと感じました。



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