書評『その後のとなりの億万長者』

有名な『となりの億万長者』の続編です。



下記はとなりの億万長者です。
となりの億万長者の著者の娘さんが、『その後のとなりの億万長者』を発行されました。基本的なロジックは同じなので、まずはとなりの億万長者を読んでもいいし、FIREをからめた話を読みたいならその後のとなりの億万長者を読んでだら良いと思います。

著者らの主張は簡単で、億万長者は高級住宅地に住み、アイビーリーグを出た企業幹部ではなくあなたの隣に住んでいると主張してます。質素な生活をした高校教師夫妻が50代で億万長者となり、年収30万ドルを超える医師が資産をほとんど持たない例が前著にも出てきます。


私は資産形成できない医師は再生産コストが高すぎることが理由だと思っております。
以前のブログ『医師向けのマルクスの資本論入門。医師でも小金持ちにすらなれない理由』も暇つぶしに読んでいただければと存じますが
https://note.com/110119mail/n/nb7eeaea6403a/edit


再生産コストとは
①明日も病院に来れる為のコスト=家で休んで休憩したり、食事をとったり、服を着たりするお金が必要ですよね。そして多少の気晴らしも当然必要です→タワマン+外車SUV+専業主婦のマウント嫁という、悪の三種の神器がコラボすると日々のランニングコストは著しく高くなり貯蓄を困難にします。
②技術革新を勉強するコスト=文献を読んだり、学会に行ったりするお金も必要です→一般労働者の方に比べて自腹の部分が多いです。医師自賠責保険や学会費などは病院でもってほしいですよね。
③次の世代を生み育てるコスト=息子をSAPIXや浜学園、鉄緑にぶち込んで医師に育てるお金です。
と定義され医師は圧倒的に高いです。

公務員の夫妻ならいわゆる身の丈にあった生活ができます。周りも身の丈にあった生活をしてますから。反して医師は周りも結構身の丈以上の生活をしていることが多いです。内実は実家が太いだけだったりしますけどね。そして医師は資産劣等生になるのです。著者は繰り返し医師や経営幹部や弁護士が貯蓄劣等生になる理由は身の丈にあった生活をしていないからだと論じています。
ここで蓄財劣等生かの定義は
期待資産額=給与所得×年齢×0.1
これがこの期待資産があなたの現状の資産を超えているかで蓄財劣等生かを判断しています。
40歳医師 医局大好き 田舎の公立病院勤務 給与所得1800万なら
期待資産=1800×40×0.1なので7200万です。→7200以下なら資産劣等生性です。
40歳医師 お金大好き 泥医 給与所得2400万なら
期待資産=2400×40×0.1なので9600万です。
Twitter界隈では余裕で貯めておられると思います。私も上記の金額に違和感はないですが、勉強好きでハイパーな先生ほど中々厳しい数字かも知れません。
本書に戻って『となりの億万長者』『その後のとなりの億万長者』ともに、倹約をベースに収入から貯蓄をいかに作り出すかを淡々と記載している

ピューリタン的な内容なの、あまり事業師所得を増やす方法などは記載されていないし、不動産投資なんぞについても具体例はありません。本書は収入を富に転換する方法、言い換えるとキャッシュフローをバランスシートの純資産に転換する倹約の心構えを述べている。
日本人で言えば本多静六先生の『私の財産目録』的です

読んでいきなりお金持ちになるような内容ではないですが、資産形成を行ううえでの種銭作りが学べます。まずは毎月のCS(キャッシュフロー)をプラスにして、そこからいかにして純資産を形成するかが勝負です。種銭が少ないといくら高利回りで運用できても、純資産は増えません。幸い医師の皆さんは少なくても収入は悪くないし、増やす方法も多いのでまずは種銭作りから初めてはいかがでしょうか?
















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