COMPILATION of FFVII


原作FFVIIのロゴと同じメテオのイラストが印象的

1997年1月31日にリリースされたFINAL FANTASY VII(以下FFVII)。その約23年後にグラフィックから一部ストーリーを一新し魔晄炉爆破〜ミッドガル脱出までを再構築したFINAL FANTASY VII REMAKE (以下FFVIIR)発売され、さらにFFVIIRの続編である「FINAL FANTASY VII ReBIRTH」が発表される等、FFシリーズ屈指の世界的人気を誇る7番目の究極幻想である。
 FFVIIR発売の十数年前にいくつかのスピンオフがリリースされ、その一連の作品群は上のロゴにある通り「COMPILATION of FINAL FANTASY VII(CoFFVII)」と銘打たれ、星の命を巡る壮大なFFVIIの世界を形作っている。
意外と知らないまたは時系列がよくわからない人が多いので、物語の時系列順にざっと紹介していく。ネタバレなしなので安心して読み進めて欲しい。


CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-

バックにある突き抜けるほど青い空はエアリスがザックスの人物像をそう言い表したのが元。PVでもこのセリフは心象的だ。

まずはFFVII本編の約7年前から始まるクライシスコアFFVII(以下CC)。クラウドの先輩にあたるザックス・フィアーが主人公のタイトル。リリースは2007年9月13日。ハードはPSP
FFVII本編の前日譚で、FFVIIでも重要なターニングポイントとして語られる「ニブルヘイム事件」を主軸として、その前後を描く。
CoFFVIIの中でも本編のFFVIIに勝とも劣らない人気を誇り、先日「CRISIS CORE FINAL FANTASY VII REUNION」としてグラフィックのアップグレードと追加要素を加えてリバイバルされた。
ストーリー的にFFVIIプレイ済であることは前提ではあるものの、時系列を追うならCCからFFVIIに入るのも全然ありである(エンディングの印象は多少変わるだろうが)。

画面左上のルーレットが揃うと専用の必殺技が発動する。

ゲームとしては物語上ザックスしか操作しないが、RPGとは思えないくらいスピード感のある戦闘が楽しかった。レベル上げが全然苦にならないのも◎
FFVIIの象徴のマテリアも登場。CCにしか登場しない召喚獣もおり、召喚中のムービーは携帯機とは思えないくらい美麗。
余談だが、FFシリーズの回復アイテムでお馴染みのポーションも、CC作中でザックスが飲む同じ容器のデザインで発売された。

CCの発売年はFFVII10周年記念でもあった。味は美味かった。


BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII-


ロゴに描かれるキャラクターはケータイキャリアによって違う(画像は docomo Ver.)

次にFFVIIの約6年前から始まるビフォアクライシスFFVII(以下BC)。リリースは2004年9月24日。携帯電話向けネットワークゲームである。
CCがザックスを始めとするいわゆる実働部隊の物語であるのに対し、BCはその裏で暗躍する神羅諜報部のエリート通称「タークス」の新人となって、反神羅組織の壊滅のためにミッションをこなしていく。CoFFVIIの記念すべき第一弾。
FFVII本編に繋がる物語はスピンオフでありながら薄いものの、各キャラクターの幼少期や、バレットがアバランチに入るきっかけや分派になる様子が描かれたり、反神羅組織の聖典となっている「星命学」が掘り下げられていたり、レノ、ルードの先輩ぶりが見れたりFFVIIの世界を味わうためのエッセンスは他作品よりも濃い。
ガラケー時代のアプリゲームでありながら、ミッション中に他プレイヤーの援護を受けられたり、アップデートによるコンテンツの追加等ソシャゲの走りと言っても過言ではないシステムを積んでいた。
docomo、au、vodafone(現ソフトバンク)でセレクトできるキャラクターが一部違っており、CCに登場するシスネも初出はこのゲーム(BC当時はシスネという名前はなかった)。
現在はすでにサービス終了しているが、最近公式からスマホアプリ版かSwitch版での移植が発表された。


CCと時系列が同じな為、ザックスたちも登場する。タークスはキャラクターによって使う武器が固定。



LAST ORDER -FINAL FANTASY VII-


アニメーション作成はマッドハウス。

ラストオーダーFFVII(以下LO)。
後述するFFVIIアドベントチルドレンの77777個限定のコレクターズボックス「ADVENT PIECES:LIMITED」に収録されたOVA。
「ニブルヘイム事件」をアニメ化した作品で、アニメ独特の戦闘描写や、BCの一部のキャラが喋る等ゲームとは違った描写がある。とはいえ、CCをプレイすればこのアニメの内容はほぼほぼさらえるので特に必聴という訳ではない。シングルカットや再録もされてないので、どうしても見たい方はリサイクルショップやオークションサイトで「ADVENT PIECES:LIMITED」を手に入れるしか手がない。もしくはYoutubeで検索





閑話休題

ティファのキャラクター制作時、ミニスカートとスパッツの二つの案があり、開発陣にアンケートを取ったところ圧倒的に「ミニスカートがいい!」の声が多かったらしい。
また、クラウドの髪型があんなにツンツンなのは、FFIV~VIで主人公がマップ上だとどんな髪型でもツンツンに尖ってるように見えた為一部ファンからは「ツンツン頭」と揶揄されるようになり、キャラデザの野村氏が「じゃあいっそデフォでツンツン頭にしてしまえ」と開き直った結果今のデザインになったとのこと。
エアリスとセフィロスは開発当初兄妹の設定だった。制作初期にその設定は無くなったが、名残で2人の前髪が似通っている。
小説の「FFVIIR Traces of Tow Pasts」にはミッドガルにきた当初のティファ、神羅の監視下に置かれながらも親子の絆を繋いでいくエアリスとエルミナの物語が収録されている。





FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN


PV公開後、未完成であるにもかかわずヴェネツィア国際映画祭に招待された。

続いてFFVII アドベントチルドレン(以下AC)。
CoFFVIIの中で唯一の映像作品。FFVIIエンディングから2年後の物語。
リリースは2005年9月14日。
FFシリーズが培ってきた美麗なフルCGでの戦闘シーンは迫力満点。2009年4月に新規シーンが追加され4K対応になった「FFVII AC COMPLETE」が発売されてるので観るならそちらがオススメ。初めてクラウド達が声を発した作品であり、FFVIIRと一部声優が異なっているものの、めちゃくちゃ大物俳優が声を当てていたりする。
AC開発に当たって、重力による剣の重さだったりキャラクターの身体能力だったりバトルシーンを現実準拠でリアルに描くか、ある程度は二次元の嘘を取り入れるかで悩んだ結果「魔法がある時点でリアル世界とは違うんだからその辺の制約は取っ払う」と後のインタビューで答えている。その結果、後発のCCやFF XIII、ディシディアFFといったスピード感のある戦闘が可能になったという。
これに関してはFFVIIをプレイしていた方が120%楽しめる。というか、FFVIIをプレイしてから見た方がいい。
もしかしたら、FFVII REBIRTHによるストーリー改変があった場合FFVII ACリメイクもあるかもと密かに期待している。



DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-

ケルベロスはヴィンセントの愛銃の名前でもあり、しっかり銃口が3つある魔改造変態銃である。

FFVIIで仲間になるヴィンセント・ヴァレンタインが主人公の物語。ACの1年後、FFVIIからは3年後の物語になる。リリースは2006年1月26日。ハードはPS2
また、DCの外伝として「DC ロストエピソード-FFVII-」が携帯電話向けアプリとしてリリースされた(現在はサービス終了)。
CoFFVII初のTPSゲームであり、後付け設定ではあるものの神羅の闇が描かれる。
元々バレットやFFVIIIのアーヴァインなど、FFシリーズで銃を使うキャラクターを集めたFPSゲームの企画が上がっており、紆余曲折ありながらヴィンセントの物語にしっかり決着をつけたいという理由からダージュオブケルベロス(以下DC)が企画された。こちらもFFVIIをプレイしていないとヴィンセントの背景がよくわからないうえ、本編のネタバレを多分に含むのでFFVIIをプレイした方がより楽しめる。
現状この作品に関してはPSストアのアーカイブにもなく、他ハードにも移植もされていないのでPS2当時の物でプレイする以外方法はない。が、AC同様FFVIIR以降のストーリー展開によってはリメイクもあるかもしれない。



以上がCoFFVIIの作品群である。最近トレーラーが発表された「EVER CRISIS-FINAL FANTASY VII-」に関しては詳細な情報がまだ公開されておらず、「FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER」は「VII」のストーリーの繋がりはない且つサービス終了が決まっているので今回は取り上げていないので悪しからず。

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