AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ 発売前考察 前作の某陰謀論、および極限脱出シリーズとの関連は?

本稿は前作のAI: ソムニウムファイルとカクレコウモリ、極限脱出シリーズのネタバレを含むので注意されたい。






2022.6.25追記:下記の世界線が違う云々の話だが、ニルヴァーナ本編のキャラたちの発言から前作のトゥルーエンド後と地続きであると確定した。全くの的外れだったので注意されたい。しかしまだカクレコウモリとの関連性は謎のままである。

当初、カクレコウモリが発表されたとき、キャラクターの見た目のタイプが全然違うのでソムニウム新作とは無関係だと思っていた。しかしイリス誘拐が確定した段階で、ソムニウムシリーズとの関連は決定的となった。ところが、そのカクレコウモリの内容が、どうも極限脱出シリーズとの関連も見られるようなのだ。

前提として、ソムニウムファイルの世界と極限脱出の世界は同一である可能性はすでに示唆されていた。
・打越氏自身が関連がある可能性を仄めかしている。

・前作ソムニウムにおいて、伊達の記憶は一部他のルートに持ち越されていた。本人は当然、経験していないはずの記憶がフラッシュバックするので混乱し、結局記憶の維持については触れられず有耶無耶で幕を閉じている。この記憶移転は極限脱出のSHIFTの流れと同じである。
さらに、イリスの「並行世界は確実に、存在するんです!」という発言の記憶が、違う世界線の伊達の中で蘇っている。応太らとも、並行世界について語り合っていたが、あえてこのような仄めかしをするぐらいなのだから、ソムニウムの中でSHIFTという用語は出なくても、少なくとも同じような「記憶が世界線を超える」という現象が存在するのではないだろうか。
・現状、ソムニウムの世界で記憶を持ち越すSHIFT現象が起きているのは伊達のみ。極限脱出でもSHIFTERの能力持ちは限られた人間しかいなかった。

さて、カクレコウモリ(Hidden Bats)の実験だが、9つのテレビ画面が「999」の関連を匂わせる以外に、問題の解答がかなり示唆的なのは偶然だろうか。
・「TEST」「GAME」=ノナリーゲーム、アンビデックスゲーム、ディシジョンゲーム
・「ESCAPE」=脱出、ゼロエスケープ
・「PAIR」「SET」「TWIN」=双子であるファイとデルタ
・「SEPARATION」「CONFLICT」=上2人が迎えた顛末
・「NEMESIS」=極限脱出シリーズの黒幕、ゼロ。復讐と捉えるのであれば、茜が一宮に仕掛けたノナリーゲームなど
・「ENIGMA」「SECRET」=単純に言えば極限脱出シリーズの深すぎる謎、それか黒幕ゼロ? 「ENIGMA」もシグマに似ていたり。
・「REMEMBER」=SHIFTで意識と記憶が移ること
・「SACRIFICE」=茜やシグマ、その他もろもろの人物が世界崩壊を防ぐ世界線のために何度も命を張ったこと
・「FATE」=運命とは理不尽なものだ、たった1匹のカタツムリが世界を滅ぼすこともある

当然、単純に解答はそれぞれのキャラクター性に沿ったものというだけの可能性はある。第2回で双子を仄めかす「TWIN」「SET」の解答は、マリハとルミナが実は双子であるというだけのオチかもしれないし、イリスの「NEMESIS」「TARGET」はシンプルに彼女がナイカトロッズに狙われているだけ、という話かもしれない。

だが最近明かされたカイロとイリスの因縁は、明らかに刻のジレンマを彷彿とさせている。

あの時、イリスが原因で事故に遭わなければ。あの時、カタツムリを避けずに走っていれば。
極限脱出シリーズの発端はカタツムリであるという衝撃的な内容だったが、ソムニウムはこのスケボー事件が大本になるのだろうか。

まだいくつか関連しそうな要素はある。
・マリハとルミナが水の確保で喧嘩していたが、この囚人のジレンマのような流れは、刻のジレンマの地獄のシャワー室のくだりでも見られた。
・最終的に2名のうちどちらを助けるかという流れも、刻のジレンマのディシジョンゲームそのもの。
・さらに、刻のジレンマで登場したトランスポーターは、地球外の産物とかいう話があったはず。イリスいわく、ウジャトシステムは宇宙からの信号をもとに作られたとされ、未知の宇宙的存在というテーマが共通している。
・砂育財団の砂育はシンプルに読むと「snake」になる。「Snake」は999のニルスの英語名。

そしてイリスとカイロの投票で、イリスが敗北、「この世から存在が削除」されたとのこと。
これは殺されたとかいうよりも、世界線から消されたということで、そもそも生きていた証が無かったことを示すのではないか。これは殺されたとかいうよりも、世界線から消されたということで、そもそも生きていた証が無かったことを示すのではないか。

公開された動画でいう「この世はシミュレーション」なのであれば、イリスを消してどうなるのか顛末を見ることも可能だろう。
(まあ恐らくだがカイロが勝つようには最初からなっていたと思う。イリスが重要だからこそ、あえて消すわけで)

以上を踏まえると、いくつか考察ができる:

・前作のネタバレは無しでプレイできるそうだが、それはつまり、伊達が本来の柳生隼の体で出てこないことは確定。動画では伊達は犀人の体であり、ニルヴァーナは前作のトゥルーエンドの世界線の続きではない可能性が高い。
・今回の事件は前作の3か月後からスタート。しかし前作の事件が解決したかどうか、そもそも発生したのかも現状では不明。未解決だとしたら、伊達は犀人の体のままでも不思議ではない。
・恐らく、イリスがレムニスケイトに入り、みずきと知り合っているところまでは世界線は同じはず。前作ではそれからしばらくして病気で倒れている。
・カクレコウモリの言う、イリスの存在を削除したことが本当だと仮定。前作から3か月後の新主人公となる龍木パートと、6年後のみずきパートになっているが、動画などではイリスは高校生の姿でしか姿を見せていない。つまり、イリスはみずきパートでは登場しないという可能性もある。6年後の話をするのであれば、普通、前作キャラクターの6年後の姿も見せるものだと思うが…。そして存在が消されるということは、龍木パートとみずきパートでは地続きのように見えて、全く違う世界線なのかもしれない。そこに出てくる半分の死体の意味とは。
・もしくは、ニルヴァーナではイリスそのものが一切登場しない可能性はないだろうか。公式HPなどの情報は騙しだとしたら。出る予定だったけど、カクレコウモリとナイカトロッズにより歪められ、消されたとしたら。
極限脱出シリーズは、1匹のカタツムリが原因で引き起こされた。そして結局、主人公たちの顛末はあやふやのまま終わっている。もしSHIFTで過去に戻り、カタツムリを外に除けたとしたら、どういう世界になっていたのか。
それと同じく、イリスという存在を取り除いたら、何が起きるのか。今作はその実験なのかもしれない。

6月22日追記:4gamerのプレイレポより、スタート前に前作プレイ済みかどうか選択でき、済みを選ぶと前作に言及するくだりが出るという。つまり、6年前の龍木パートは少なくとも前作グランドフィナーレの続きとなるだろう。そう考えれば世界線が違う云々はおそらくない。では伊達は一体…?
また、スクリーンショットではイリスも見える。これがダマシとかでなければイリスもちゃんと存在している。ではあの実験は何だったのか。消されたイリスは犀人が入っていた世界線のだったりしたら面白いが…。

https://www.4gamer.net/games/581/G058158/20220616136/


そもそもSHIFTが起きるには形態形成場にアクセス云々しなければならない(この辺私の記憶があいまいだが…)。この無限のデータを扱っているような存在がソムニウムにもあった。ウジャトシステムである。
前作で深く語られていなかったが、少なくともアイボゥのデータを取り扱い、復元できるように「各地」に保存していたこと、またPsyncのシステム自体にも関わっている。この辺りの仕様は若干無理やりではあるがSHIFTと似ている。
ウジャトシステムとは、SHIFTの能力を機械に落とし込めた存在だとしたら? あらゆる世界線にデータを保存し、管理しているとしたら? アイボゥはウジャトシステムを経由することで、実は並行世界の記憶を維持していたとしたら? そもそも、伊達が記憶を保持できたのは、アイボゥが記憶を流し込んだとかだったりしないだろうか? またソムニウムでは、メニューからロード時に、記憶を探るような演出が出てくる。まるで、世界線の波を漂うかのように。

なお、イリスによれば、
・ウジャトシステムは宇宙の彼方からの信号をキャッチ、デコードした結果誕生したAIシステム。
・それに統括されているのがナイカトロッズ、目的はX00639を作り、ウジャト自身のデータを別の知的生命体に向けて飛ばすこと、いわば繁殖。
・ウジャトAIは株価操作でナイカトロッズに利益をもたらし、ナイカトロッズは見返りにX00639を完成させる。
・ウジャトAIは目的を人類に大っぴらにすることは失敗に繋がると予測し、ナイカトロッズを陰の勢力として利用し、存在を隠蔽している。
・ナイカトロッズがウジャトAIにより莫大な富を得ているため、貧富の差が大きくなり、紛争や人身売買が起きている。
・イリスがナイカトロッズに狙われているのは、その秘密を知ったから。(前作にて攫われそうになったシーンがあり、イリスはナイカトロッズの刺客と思い込んだが、実際は犀人扮する沖浦が雇った集団だった。だが実際のところ完全に無関係なのかは不明。また、その秘密を知ったというタイミングも不明。)
なお世間的には、ウジャトシステムはアメリカ企業エルゴーグに開発された、あらゆるAIの基幹プログラムとして知られている。開発経緯は不明。

結局、イリスが別の世界線で殺されたと思っていた冷凍倉庫の死体は自分ではなかったわけで、並行世界やナイカトロッズ云々の話も有耶無耶になったのだが、ニルヴァーナにて堂々とNAIXのメンバーが登場している。いやいや、結局妄想オチでしたテヘペロ、じゃないんかいと。ナイカトロッズは実在することが確定し、ウジャトAIの目的もウソではない可能性が出てきている。カクレコウモリもきっとナイカトロッズによるものだろう。
そしてアイボゥはウジャトシステムにより構築されたAIであり、彼女は当然イリスの陰謀論には懐疑的だった。前作ラストではウジャトシステムのおかげで復活できたので、まるで本当は無害のような扱いで終わったが、イリスの件が妄想じゃないのだとすると話は変わってくる。アイボゥが作られたのは伊達をアシストするためだったが、本当にそれだけだろうか。アイボゥも知らないうちに、陰謀に加担していたりしないだろうか。前述したが、彼女の存在は並行世界云々の鍵を握っているのではないだろうか。

しかしなぜイリスが前作も今作も標的にされるのか。イリスは並行世界もそうだが、異様に陰謀論的な内容に詳しい。前作では病気で倒れてから妄言をするようになったそうだが、元からそういう話が好きだったのか、何か見てしまったのか、経緯が全く不明。ナイカトロッズの正体やウジャトシステムなどについて触れ込みをされるのを嫌い、消そうとしているのか。

あとは龍木とみずきがどういう鍵を握っているかだろう。見た目が柳生に似ていないこともないのだが、何か関連はあるのだろうか。前作の因縁の場である遊園地に何かしら秘密もあるようだが、果たして。

ウジャトシステム、並行世界、極限脱出シリーズのSHIFTとの関連性…謎が非常に多く、今回も色んなどんでん返しが待っていることだろう。やっぱり結局イリスの妄想でしたパターンもありえそうだが、裏をかいてくれることを期待している。あとみずきちゃん主役の一人にしてくれてありがとう。



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