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託される想い

・・・

さくら:ふぅ、いいところまで読めたかな…
それにしても、雨すごいなぁ…

朝からひたすらに降る雨は止み時を知らないようだ…

「遠藤さん、そろそろ閉館ですよ?」

さくら:あっ、分かりました…

「それと、幼馴染くんがお迎えに来てますよ(笑)」

さくら:?

○○:よっ!

さくら:○○…そんな毎日飽きないね…

○○:別にいいじゃん?嫌なら言えばいいのに~

さくら:ボソッ…別に嫌じゃないよ…

○○:ん?なにか言った?

さくら:なんでもない///

○○:そっか、じゃあ帰るか…

さくら:うん!先生、さよなら!

「ふふっ(笑)また明日ね」

「…ボソッ いつ、お互いの想いに気づくのかな…」

・・・

○○:傘、持ってきてんだっけ?

さくら:あっ…忘れてた…。入れて?

○○:相合傘でもするか(笑)?

さくら:///

○○:顔赤すぎない(笑)?赤く染まりすぎ(笑)

さくら:笑いすぎ!からかわないで!

○○:はいはい(笑)仕方ない…入れば?

さくら:えっと、失礼します…

さくら:…毎日さ。

○○:ん?

さくら:わざわざ迎えに来なくていいよ…
面倒でしょ…?

○○:そんなこと気にすんなよ。
俺が好きでやってんだし。

さくら:…そっか。

時間にして数分…、無言の時間が流れる…

○○:今更、気にしたのか?
“あの時”からずっとだしさ…

さくら:うん…○○の自由を“奪って”いるんじゃないのかって思って…

○○:はぁ、まだ引きずってたのか…

さくら:忘れられないよ…
ううん、忘れちゃだめだよ…

○○:まぁ、そうだよな…

・・・

○○:着いたか…

さくら:うん…

○○:じゃあ、また明日な。

ギュッ ○○の制服の裾を摘まむさくら…

○○:ん?

さくら:待って…まだ、一緒にいたい。

制服の裾を摘み、○○を引き留める…

さくらの“想い”を汲み取ったかのように…

○○:どっちがいい?

さくら:えっ…?

○○:俺の部屋かさくらの部屋。どっちがいい?

さくら:いいの…?

○○:ほっとけないだろ、そんな泣きそうな顔されたら…

さくら:じゃあ、私の部屋…

ガチャ

さくら:適当に座ってて、何か飲み物取ってくるから

○○:んな気使わなくていいよ、ってか、きれいに咲いてんだな…

窓から庭の花壇を眺める…

さくら:うん…ちゃんとお世話してるからね…

○○:“紫陽花”だったっけ?

さくら:うん…お姉ちゃんが好き“だった”花だよ。

○○:そっか…“あれから”1 年かぁ…

さくら:うん…

・・・

さくら:○○は、いつまで私といてくれるの…?

○○:はぁ?いつまでって…

さくら:もう私のことなんて、ほっといてよ。

“ほっといてよ” この言葉が俺の何かに触れた…

○○:ほっとける訳ねえだろ!

さくら:ビクッ!

○○:約束したんだよ、“飛鳥さん”と!!

さくら:お姉ちゃんと…?

○○:あぁ。「さくらのことよろしく。
私の分まで幸せにしてくれ」って。
息を引き取る瞬間までさくらのこと…言ってたよ

さくら:そうだったんだ…

○○:飛鳥さんに頼まれたからって訳じゃないけど、あの時、俺はなんにもできなかった。

だから俺がさくらを…

ギュッ ○○の肩に顎を乗せ…

さくら:…なんか嫌だ。

○○:…えっ?

さくら:私のために○○の人生全部捨ててるような感じじゃん。そんなの私は望んでないよ…。

さくらの頬に“過去”にもなんども流したであろう透明な血がゆっくりと流れ始める…

・・・

月の光が部屋に差し込み…

さくら:ねぇ、○○?

○○:…どうした?

さくら:ごめんね、服…汚しちゃった。

○○:いいよ、別に…

さくら:さっきのは、○○を否定したわけじゃないよ…。

○○:わかってるよ。何年一緒にいるんだよ…。

さくら:よかった…グスッ

○○:飛鳥さんに頼まれたからって自分を、
“自分の想い”すらも殺しすぎてたかもしれない…。

さくら:私も○○に甘えすぎてたかも…。

○○:…こんな俺でも隣にいていいのか?

さくら:グスッ いてくれなきゃ嫌だよ…

○○:じゃあこれからは“隣”にいてもいいか?

さくら:ずっといてよ、今までもこれからも…。

2 人の関係性が“幼馴染”から変化するのはいつのことやら…

To be continued…




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