〈日記〉2024/5/12-5/17

0512 にたろ

今日は4の倍数の日だから早起きする。6時にアラームが鳴った。スマホは復活したが、多分設定が更新されたせいでアラームの音が変わっている。前のより不快感がない。

朝の話し合いを終え、もう一度布団に入る。カネコを筆頭に、みんな身支度をし出した。奥の部屋では大勢で電話をしている声。ハキハキしていて、しっかり者の声だ。あんまりこの家では見ないタイプだ。10時半にはもう一度アラームが鳴ったが消して、結局11時過ぎまで寝ていた。起きたら誰もいなかった。

5/12 井潟瑞希

にたろが、ぱとろんから、ななまんはっせんえんをもらったというゆめをみた。わたしは、おんがくをわすれたのではなく、おんがくにわすれられたのだ、というはなしを、まけおしみついでにする。ははのひなので、あおいかーねーしょんを、きたぐちのはなやさんでかった。きょねんも、あおいのをかった。あおは、ははのすきないろなのかわからないけど、わたしのすきないろ。わたしは、はなをはこぶのにむいてないにんげんだ。はなたばがからだにあたると、こわれそうだから、うでをすこしからだからはなす。ぎこちない。かたがこる。さっき、おさけをのみながら、わらいがこらえられなかったことがあって、どうしてもこらえられなくて。それで、あのひとをきずつけてしまったんじゃないかといまでもしんぱい。とりかえしがつかないわけでもないけど、なかったことでもない、きず。ゆるされないわけでもないが、じぶんでじぶんをゆるしてはいけない、きず。まあねむったらわすれるんだけどね。

5/12 青木識至

体調が優れないので予定を変更
風が強くて洗濯物も干せない

0512 西山珠生

現実逃避ノタメ朝ッパラカラすこーんヲ焼イタ。戯レニかたかなデ書イテミル。トテモヤリヅライ。変換システムハ漢字かたかな混ジリニハナジマナイ。
へっどほんノオカゲデ頭痛ハスコシ回復シタ。低音ガ苦モナクキコエルノハナンテシアワセナンダロウ。

0513 にたろ

9時半にアラームが鳴って、20分ぐらいスマホを見ながらごろごろした後起き上がる。ミヤタも隣でもぞもぞしていた気がする。カネコはいなかった。開け放たれた窓から、雨音がダイレクトに響く。やっぱり、ゆっくりできる朝はいい。

しっかり寝れたのだろう。夢を見た記憶は、綺麗に片付けられて跡形もなかった。代わりに揺れる窓の外の緑がリズミカルで、だんだんスマホを触っているのが馬鹿らしくなる。10時のずーむに間に合うように、寝癖を抱えたまま、僕はリビングへ降りる。

5/13 青木識至

嵐みたいな朝
髪を切った
彼らはいつまで
私を記憶しているのだろう

0514 にたろ

カネコはいなかった。そういえば今日早起きすると言ってたような。ミヤタはもぞもぞしていて可愛い。夜更かしした割に体がすっきりしているなと思いながら家を出る10時。

5/14 青木識至

仕事の後に定例会
大枠が決まってきたので嬉しい
夜遅くに少しだけ
溜めていた作業を消化する

0514 西山珠生

日記をかくように言われた。いつかけばいいのかよくわかっていない。Googleドキュメントをひらく、このフォントは好きじゃない。
電車の中で手持ち無沙汰だ。車両内の人間の匂いに耐えられる日なので、視界が明瞭だ。うれしい。みどりいろの電車を乗り継ぐ。地上では、陽の光に殺菌された布の匂いと、枯れ草いろの風の匂いがしていた。へんな話だ。
腰のあたりを、男の子が駆け抜けていった。水たまりの残る歩道。メタセコイアみたいなイチョウの木。
視界は明瞭だが、こめかみがいたむ。

0515 にたろ

体は起きたけど、頭がまだ眠っている。「自分」が迷子だ。迷子であることが居心地いいのは、寝起きのときだけかもしれない。昨日までの自分を徐々に思い出し、カレンダーの中に僕は呼び戻される。ちょっと残念に思いながら、身支度を始めた。

5/15 青木識至

晴れのち曇り、少し雨
久しぶりに夢をみた
育てているトラノオが枯れる夢
でも改めて思い出すと違う植物だったかも
トラノオにしては余りにも細かった気がする
午後、予定通り
注文していたものを受け取る

0515 西山珠生

「今日が29日なので」というファイルを探してあちこちに手をつっこんでいたら、このパソコンにはないと突っぱねられた。たくさんの文字と絵を巻き添えに沈黙したバーガンディのSurfaceを見やる。
10年も前に描いたらしい絵が出てくる。
どこかにあるのだという希望がないというのはこんなにも哀しいことなのだ。

0516 にたろ

この日は日記をつけてなかったみたい。

0516 西山珠生

百年は森が成熟するには短すぎるが、歴史が巡るには十分なのだ。

5/16  青木識至

晴れのち曇り、夕方から風が強い
夜に歯を磨いていたら親知らずを見つけた
いつ顔を出したのだろうか
奇妙な生え方をしているようで
痛まないことを祈るばかり

0517 にたろ

これは、起きる前の話。

目を開いたまま、夢を見た。
まっすぐなアスファルトの上を、赤いオープンカーが走っている。干からびた人間の体。手や脚が、車からはみ出してぐったりしている。

ハンドルが、無人で操縦されている。したいを収集しながら、赤い外車は走り続けるのだろう。

しばらく、僕は目を閉じ、そしてもう一度開けた。カネコは熟睡している。ミヤタは今日もいない。4の倍数の日なのに、早起きを忘れてしまった。お詫びのLINEを入れる。僕の話相手は早起きに成功したが、代わりに風邪を引いてしまったようだ。

5/17 青木識至

いつものコーヒーショップに立ち寄る
ポイントが貯まっていたので
グアテマラかコロンビアで30秒くらい悩み
結局、コロンビアにした
洋梨やグリーンアップルのような爽やかな余韻
と、書いてあるが正直いまいち分からない
美味しいのでまた注文しよう

0517 西山珠生

魚屋の弁当を食う。
いちごを食う。
生姜のスープと焼売を食う。


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