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情熱を燃やした時期

ワープロが出た頃の記録媒体はフロッピーディスク。それがCDに変り、USBメモリに変り・・・どんどん進化してきた。
ある時、まだ残っていたUSBメモリの中に見つけた。それは、「辛かったけど、あ~、情熱を燃やしていたなあ」ということを思い出す記録だった。
35年勤めた会社での事。
「顧客満足」というコトバがはやり始めた頃、社長がお客様の声を知りたいと、「お客様コールセンター」を自らの直轄部署として本社に開設した。
風通しがいいと言えばいいのだが、普段の顧客対応や苦情が知られてしまうと危惧した営業所もあった様ようだ。
 
そこに異動になって間もないある日のお客様からの受電。
展示販売会開催日に、器具点検依頼のお電話を頂いた。
営業所へ点検修理依頼書をFAX送信したら、間もなくそこの所長から怒涛のような電話がかかってきた。
所長:「今日、行かなくちゃいけないの❢」
「今日、行くって言ったの❢」・「今日、展示会でそれどころじゃないの知っているでしょ❢ 何で、修理を受付したの❢」と捲し立てられた。
(開口一番それはないでしょ。 ウチは誰に商売させてもらっているの?
展示会がある事は知っているけど、お客様が困って電話してきているのに、コールセンターで行けないなんて言えないでしょと思った)
私:「お客様がお困りですので、とりあえずお電話で様子を伺い、できる限りの対応をお願いします」
所長:「そうするけど、今日はこれ以上修理は受付けしないでね❢❢」
(お客様の声を聞いて、対応する(訪問日を決める)のはあなたのお役目でしょ!)と思ったが、口に出すと喧嘩になるので飲み込んだ。
 
 
 つくづく思った。 「顧客満足」は、決めごとや、制度だけではうまく回らないと・・・。
制度の趣旨の徹底不足で会社上層部でも無理解の人がいたり、営業所の勝手なローカルルール、お客様に応えられないジレンマなどに悩まされた。
でも、そんな中でも解決策を見出す事に情熱を燃やした時期でもあった。
何とかしなければと知恵が湧き活路が開け、勇気が出てくる実感があった。
話しを忍耐強く事は大事だと思った。真実や矛盾、垣間見える本音や心理状態を知る事が出来るから・・・。
 でも、いつまでも聞きっぱなしではダメで、解決のしっぽが見えたら一気呵成に進めないと解決のチャンスを逃してしまう。
最初の内は聞いてばかりで、そのチャンスを逃し泥沼に嵌った事もあった。
 
 
当時は辛い事が多かったが、あの時程色々な立場の人の気持ちや都合を考える事に力を注いだ。今思えば色々と学ばせてもらったと感謝している。
 
 

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