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10月15日~10月21日 ディズニー100周年+WEST

その日、関西の県は団結して、世界的アニメ制作会社であるD社を訴えた。内容は次の通りである。

「御社は新作の中で、関西人をおっちょこちょいで、お人よしで、笑いに貪欲なお調子者のキャラクターで描いている。しかも名前もそのまま“Kansaijin”。これは、全世界に関西人に間違ったイメージを与えかねず、世界中から集まる外国人観光客に、刀で斬られた振り、銃で撃たれた振りを強要され得る労力、ボケを求められる精神的苦痛、一部の人は喜ぶかも知れないが、関西圏全体の幸福を考えると誠に遺憾である。よって、この作品を全世界で上映禁止にすることを求む。」

当然、この裁判は敗訴となる。判決文の要約を次に記す。

「関西人のイメージをみだりに公開する利益は、法的保護の対象となるというべきである。しかし、この新作を全世界に上映する行為が違法となるか否かは、当該事実の性質及び内容、本作が全世界に公開されることによって、関西人のイメージが間違った方向に伝達される範囲と関西人が被る具体的被害の程度、関西人の世界的地位や影響力、本作を上映禁止にする必要性など、本作を公開しない法的利益と公開する利益を比較衡量して判断すべきもので、当該作品を公開されない法的利益が優越することが明らかな場合には、D社に対し、作品の上映中止を求めることができる。しかし、本件については根拠が全くなく、関西圏側の一方的な主張であるため、本作を上映する法的利益が優越することが明らかである。」

この裁判のニュースはSNS・ネット上で拡散され、世界中で話題となった。それがきっかけとなり、この作品は異例の大ヒットになる。そこでD社は、関西に感謝と尊敬を込めて、驚くべきプランを発表する。

現地でカルト的人気を誇る野球チーム”HT”。そこの虎をモチーフにしたマスコットキャラクターを作品に加え、再編集したものを関西限定で上映することを決定したのだ。

さすが、D社。関西人の扱い方をよくわかっている。

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