指先の感覚

【広島県神石郡神石高原町 神雷 日本酒】

蒸米を板の上でほぐして冷ます時、
麹米は36度まで下がったら麹室へ引き込みます

その後、種切りをします

麹米にしない掛米は
タンクへ入れる時の温度がその時その時で
変わります

その日の気温やタンク内の品温で
どこまで掛米を冷ますか、社長の判断を仰ぎます

蒸米を甑から出し、板の上で冷まし
適温と感じたら社長や先輩方の確認を取ります

必ず指先で温度を確認されますが
OKが出る温度はまだまだ僕では判断できません

続いて麹室での話

麹米を室で冷ます時、
温度計でお米の温度を測ります

その後、社長は必ず指先で温度を確認します

どうして、指先で温度を確認するのか質問したところ

温度計で測っているのはその一カ所の温度なので
他の場所と温度差がある
指先の感覚で温度を確認して適温を判断している

とのことでした

「夏子の酒」にもこれと似た話があるのを思い出しました

ある人から聞いた話ですが、
蒸米や麹米を冷ますのも機械で行う蔵もあるそうです

それは働く人からすればとても助かる話です
そして人件費の節約にもなります

機械化が進み、どんどん便利になる中で
神雷のような手間ひまをかける職人の技が残るのもいいなと思います
そしてこれからも残って欲しいと思います

僕は明日も指先の感覚を鍛えます

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