唐・李賢墓壁画の外国使節に思う
唐・李賢墓壁画にみる人物像
中断していた「画像で語る・シルクロードと大伴家持の時代」WEB版の編集を再開した。
2019年秋、敦煌楽舞国際学術検討会(西安市)の報告で話題にした唐代壁画の画像。初唐の皇太子・李賢(高宗の6男、章懐太子)墓の東壁画。唐朝の官吏(鴻臚寺)と外国使節を巧みに描く。
左側の3名は唐・外交部(鴻臚寺)の役人で、賓客の対応を協議しているのであろう。右側は不安そうに待つ3名の外国使節。壁画の時代背景は、高宗(649-683)か中宗(683-710)の頃と推察される。唐代壁画の代表作。
日本の山上憶良が遣唐使の一員(少録)として筑紫から渡海したのは702(大宝2)年6月。壁画に描かれた使者を巡って長い間、議論は続き見解も分かれる。
私は、画中に「日本」の使者は含まれないとみるが、「日本人」が含まれるとの見方も。何度眺めても、画中にみる人物描写の精妙さに感動する。 (2023年11月22日 記)