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地方銀行の取締役だった祖父の惨めな最期

アラフォーバツイチのさくらです。

私の父方の祖父は地方銀行の常務取締役でした。高卒ながら苦労して出世し掴み取った地位と名声。

父は祖父から勘当されてたので、私は数えるほどしか祖父に会ったことないのですが、

祖父が「デパートへ行く。」と言えば、銀行が黒塗りの運転手付きの高級車を手配し、家まで迎えに来ていたそうです。

セレブやな。


祖母は完全に祖父の言いなりで、専業主婦で奥様って感じの人。父は幼少期より両親の愛情を感じたことはなく、勉強について厳しく育てられました。

父には弟がいますが、出来が悪いため、両親の期待は長男である父に全て向けられており、弟はむしろ甘やかされていたそうです。

でも大学生の時に父が祖父に反旗をひるがえしほぼ絶縁に。父が9歳年上の母とでき婚したことも気にくわなかったようで、孫である私のことを可愛がったことは一度もありません。

私が医学部に合格したとき、母は嬉しすぎて、大嫌いな祖父にも連絡したそうですが、

祖父「だから何だ?祝い金でも欲しくて連絡したのか?くだらん。金目当てか?」

と一蹴されたそうです。

母としては、自分に対してずっと冷たかった義両親(私の祖父母)に、「私は娘を医者にできたんだぞ!お前の息子(私の父)は出来損ないだけどな!」と、いかに自分の子育てが正しかったか、成功したかを見せつけたかったようですが。

※祖父母が亡くなった後、隣近所に「孫娘は医者なんだ。」と言いふらしていたことが判明。素直じゃないね。

祖父は亡くなる前に一度だけ患者として私の勤め先を受診しました。慢性腎不全で。「医者の祖父だぞ」ごっこをやりたかっただけみたい。

一度も祖父母としての愛情を向けられたことないのに。私からしたら、

非常に滑稽でしたね。


で、その後、祖父母は認知症もはじまり、要介護状態になるも、「息子(私の父)の世話にはならん!」とつっぱね、全てケアマネやお手伝いさんを雇ってどうにか生活してた。

甘やかしていた次男(私の叔父)は遠方で全くの疎遠。聞くところによると未だに独身で大病を患っているとか。

で、ある日、

祖父が亡くなりました。

90歳近い大往生です。

で、ここからが大問題。

なんとお金がすっからかんで、火葬費用すらないというのです。

え?地方銀行の取締役で貯金とか年金とかたっぷりあったでしょ?

60だか65だかは知らんが退職後の長きにわたり、贅沢癖が抜けず、そこへ認知症も相まって散財していたようです。

お手伝いさんは毎日24時間付けていたし、「デパートで100g数千円の松阪牛を買ってこい。」だのヘルパーさんに命令する。止めると元の性格的気質に認知症が加わり激怒するため、みな仕方なく言われたとおりにしていたそう。

私は祖父の棺桶の中を覗いて、こう思いました。

お前、誰だよ。


だって隣接する市内に住んでいたのに、人生で会ったのはほんの2,3回。祖父に可愛がってもらったことはない。はっきり言って、

知らないジジイです。

地方銀行の取締役だと威張りくさってたのに、自分の火葬費用もないなんて、

情けないとは思わんかね?

そして、お前の育てた息子たちは揃いも揃ってお金ないってさ。孫娘の私が火葬費用出すんだぜ?葬儀費用は一番安い家族プランにするわ。

文句?

言わせねーよ?

どうよ、このエンディング。

どれだけハイスペだろうと、人間性が終わってると不幸になるよという典型ですね。

祖父は銀行員なんだからマネーリテラシーが低いわけないのに、認知症が進んだときに見守ってくれる親族がいないとこんなもんですわ。

祖母も亡くなった後、祖父母の実家を片付けましたけど、ロイヤルコペンハーゲンの食器だの、ダンヒルのスーツだの、贅沢品が山のように。中古で二束三文なんで捨てましたけど。

こんだけの物質に囲まれても、子供も孫も寄り付かず、最期は介護関連の事業所にいいようにお金を吸われて、マトモな葬式もできないほどすっからかん。

常務取締役当時は「○○常務」とちやほやされてたかもしれんが、今となっては、死んだことを連絡する先もない。会社の誰も、祖父が死んだことに気がつきもしない。

悲しまないし、困らない。

家族を犠牲に身を粉にして働いて、

で、何だったんですかね?


良かったら教訓にしていただければと思い、したためました。

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