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SF創作講座2023・最終実作の講評ラジオ4番組【の自作の講評部分だけ】を講評する!

 ニーチェいわく「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
 ニーチェに倣い、私も「いわく」してみましょう!
 多寡知 遊いわく「最終実作を評するラジオをする時、実作の作者もまたこちらを評しているのだ」

 有志による『SF創作講座2023』の最終実作を講評した、ラジオ番組4本を全編通しで聴きました。のべ12時間余り!
 本来ならば、ラジオ番組全体を評するべきでしょうが、私が遅筆なのとモチベーションの関係から(苦笑)、基本的に『私の実作について言及した部分だけ』を、私の独断と偏見で評したのが本稿となります。
 要するに『自分大好き!(笑)』に終始したテキストなので、その点を含み置きの上、お読み頂ければ幸いです。
 ちなみに私の実作はこちらで読めます。

[1]7期の実作について話すよう(2024年5月17日/全185分)

・アドレス: https://t.co/WCwnNzzyJa
・出演:猿場つかさ、方梨もがな、八代七歩、夕方 慄 
・私の実作への言及箇所:なし 

[2]最果てラジオ【SF創作講座第7期ゲンロンSF新人賞実作感想回】(2024年5月18日/全209分)

・アドレス: https://t.co/8bXchwRtrp
・出演:邸 和歌、田場狩
・私の実作への言及箇所:3h01m50s~3h08m12s

【私の実作への評価】

「面白く読めた」
「往年のヨーロッパの映画みたいなお話」
「プロットも良かった。楽しく書いているんだろうな~と感じられた」
「登場人物がほぼ二人なので読みやすかった」
「ヒロインの過去話が面白かっただけに、嘘と分かってちょっと残念だった」
「4万字マックスなので、もう少し字数があっても良かったかも」 

【ご指摘についての回答もしくは言い訳】

●「主人公はもっとヒドい目に遭ってもいいかな」

→もっとヒドい目というと、大けがした上に、自慢の顔に回復不能な傷をつけられる……とかですかねぇ。
 ちなみに第6回の梗概バージョンの結末では、主人公は別の意味でヒドい目に遭いますので、よろしく!

【雑感など】 

 取り上げた4本のラジオ中、唯一、私の実作のアピール文に言及。アピール文の病んだ内容について、心配してくれていて、ほっこりしました。
「多寡知さんが恨んでいるのは、ひょっとしては自分では?」と心配されていましたが、パーソナリティのお二方ではないので、ご安心を。 

[3]羽化とマカロニRADIO 番外編・第7回ゲンロンSF新人賞最終候補作をみんなで読む・続編(2024年5月18日/180分)

 ※『正編』では最終候補作6本を講評。『続編』である本編では候補作以外を講評。
・アドレス: https://t.co/E05I0M1Ilj
・出演・天沢時生、河野咲子、名倉編
・私の実作への言及箇所:1h22m48s~1h37m43s

【私の実作への評価】

「意外と面白い。ラノベ的」
「出て来るSFネタが古典的」
「スペオペという以外、SF要素がない」
「『SFじゃありませんでした!SF』みたいなので、(『ゲンロンSF新人賞』では)戦い辛い作品」
「登場人物の倫理観がぶっ壊れているんじゃなくて、作者の倫理観がぶっ壊れている(笑)」
「逆ファムファタールものとして突き抜けているので嫌みがなかった」
「結構、都合の良すぎるストーリー展開」
「ライトノベル的な会話は上手いが、時折、説明的すぎる文章が入ってくるのは減点」
「小説として読ませるトーンではない。小説というよりは読みもの」
 など。あざっす!

【ご指摘についての回答もしくは言い訳】

●「主人公が寝取った母娘が、その後、不貞を責められ、夫にして父の貴族によって無理心中させられている。なのに何の後悔もなく、主人公とヒロインがラブラブ~ってのはないんじゃないか?」

→この点は、実は私も気になっていました。
 でも、きっかけは確かに主人公ですが、その後の貴族の凶行は、神ならぬ身に予想できるはずもないわけで。
 じゃあ「主人公とヒロインが仏門に入り、終生、三人の菩提を弔い続けることを決心する」という結末にすればいいのか? というと、それもまた違うかなと。
「貴族が、主人公に差し向ける刺客を雇うために全財産を蕩尽する。妻と娘は、貴族に愛想を尽かして出奔」という修正案を、最近、思いついたので、どこかの同人誌で拾ってくれるなら改稿しますよ~(苦笑)   

●「貴族の無理心中に責任の一端があるのに、ヒロインが罪悪感を抱いていないのはおかしい」

→主人公は刑事から『無理心中の一件』を知らされましたが、彼はそのことをヒロインには伝えていないので、彼女は知らないです。だからキス顔してもOK!!(笑) まぁ提出後に「『キス顔』と書いたのは、筆が滑ったな~」と後悔はしましたが(苦笑) 

●「ヒロインが全く何の理由もなく猫耳」

 →猫(耳)である理由ですが、
 1)(猫なので)夜目が利く(序盤の夜の森のシーンで真価を発揮)
 2)ヒロインを機転が利く、捨て猫に例えるシーンとの照応
 3)ラストで、鼻チューをする(舌がザラザラしている)
 4)筆者が猫好きでケモノナーだから(苦笑)

 なおラジオ内で「貴族っぽい人は猫耳なんだよ」と言われてましたが、私としては「惑星の住人全て、みな等しく猫耳」のつもりでいました。
 そこは私の筆が及んでいなかった故なので、反省することしきりです。 

●「ヒロインが何故、主人公に惚れたのか分からない」

→私にも分かりません(苦笑) でも惚れた理由がよく分からないラブコメ作品って割と多いんじゃないかと。
 本作の場合、嫌な上司の許を離れたヒロインが、旅先での解放感から、本当は恋じゃない感情を、恋愛と誤解している可能性は大いにありえます。いわゆる『ひと夏の恋』パターン(笑)

●「主人公がヒロインの嘘を論破する根拠に『ヒロインが仕えていた王家が他国へ亡命したこと』を挙げていたが、将来、王家が復権したりする可能性があるから根拠としては弱い」 

→鋭く、且つ意想外のご指摘。これはすぐには手当の方法を思いつかないです。 

【雑感など】

「恋愛に狂ってる、この作品は可愛い」という評は、心に響きました。あざぁっす!

[4]ダルラジ賞発表会場 SF創作講座を勝手に応援するラジオ 第7期最終回(2024年5月24日/全151分) 

・アドレス: https://t.co/RDI04LSnv5
・出演:牧野大寧、荒井めい
・私の実作への言及箇所:2h04m00s~2h08m13s 

【私の実作への評価や雑感など】

 私の実作を「ラブコメとしては評価します」としつつも、「主人公は結婚詐欺しまくってるんだから、どこかで懲らしめるシーンが必要だと思う。なのに特にピンチもなく、すっと話が終わってしまった」と批評。
 これは明らかな『風評被害』なので、反論しときますね!
 後半で「主人公に妻と娘を寝取られた貴族が雇った暗殺者に刺され、主人公は一時、ICU(集中治療室)で治療を受ける程の重傷を負って」います!

『特にピンチもなく~』という仰(おっしゃ)りようには「この人、ちゃんと読んでるの?」と、少々カチンときました。


■カチンときている多寡知 遊(想像図)

 また私の実作はまだしも、「ファンだ」と公言されている、やらずのさんの実作『薄氷』(言及箇所:53m51s~1h00m10s)の粗筋についても、ラストで「主人公が『先輩に川へ突き落とされる』」と明らかに『間違った説明』をしていました(しかも2回も!)
 ~確かに先輩は主人公を刺しますが、川へ突き落としてはいません! これは作品の根幹に関わる、凄く大切なことだと思いますよ。

 こういうことが重なると、パーソナリティの方の読解力に対して、失礼ながら疑念を抱かざるを得ません。
 あるいは短期に集中して、大量の実作を読まれて、記憶が混乱されているのかもしれません。相方が、蚊口さんの作品以外、実作を全く読まれていないから、ダブルチェックが出来なかったのも痛かったでしょう。
 でもですね。
 最終実作を提出された方々は皆さん、心身を削るような想いをして、執筆しているわけです。その真剣な作品群に対して、お二方の姿勢はあまりにフワフワしていて、正直良い気持ちはしませんでした。

 私は、私の作品を読んだ方が、どのような感想を抱かれても、それはその方の自由だと考えています。
「読者には『誤読』する権利がある」と思っていますし、基本的に干渉する気はありません。でも上に挙げた『ダルラジ~』における二つの誤謬は、『誤読』じゃなくて、「単に書いてあることを読み取れていないだけ」か、あるいは「記憶違いをしているだけ」じゃないですか。
 作中にちゃんと書いてあることを「書いてない」と言われても、こちらは困惑するばかりです。  

[終わりに]

 本稿を書いた原動力は、『ダルラジ~』での「作品中にきちんと書いたこと」を、「書かれてない」と誤った認識に基づいた上で、品評をされたことへの『怒り』でした。
 私が初めて(最終)実作を書けたのも、『オッペンハイマー氏』への怒りからでしたが(苦笑 ※実作のアピール文参照)、そういう意味では、私は常に何かに怒っていないと原稿を書けないのかもしれません(笑)
 ~それでは、また誰かが私の『逆鱗』に触れた時に、お会いしましょう!(苦笑)

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