日本は深化して、進化できなかった

OECDの調査によれば、日本の一人当たりGDPは2021年は39,301ドルだ。順位は20位である。1992年は32,069ドルで4位だった。額は増えているが、順位は大きく下げている。

日本人は深く細かい世界に入っていく特徴がある。争いが無く平和な江戸時代は超絶技巧の工芸品が発達した。明治期には開国によって日本製の職人による工芸品や美術作品は海外で人気だった。第二次世界大戦後も、乾いた雑巾を絞るがごとく、改善の対象は微に細に、あらゆる所まで突き詰めていった。欧米のやり方をまねて、そこから更にコスト削減や製品の小型化など、日本独自の強みを発揮して、モノは売れた。

今は、だいたいみんな必要なもの持っている。これ以上、細かな機能改善はもはや製品として競争力にも魅力にもならない。であれば、全く違う発想や仕事のやり方で価値を出さなければいけないはずだ。

深化が深ければ深いほど、出るのは大変だ。日本はまるで、地上に出るのがおっくうになり、進化するのを忘れてしまった生き物のようである。

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