ハリは夜行性だが、1日4時間ほどしか活動しないため夜もだいたいは寝ている。就寝中にふと目が覚め夜の静けさに浸っていると、今この同じ静寂さを2種の生活スタイルの全く違う動物が共有していることは奇跡的なようでいて実は至極真っ当なことなのかもしれないという考えが頭をよぎる。知ってはいるけどずっと思い出せなかった記憶が一瞬蘇る。 ハリの小さな寝息を確かめながら、この日々に感謝しまた安心して眠りにつく。
うちのハリは、老いてもなお食欲旺盛。 毎晩9時のごはん前になると、ソワソワ と落ち着きがなくなる。回し車で少し走っては すぐ降りて、音のする方をひたすら見つめたり とにかくごはんのことで頭がいっぱいになる。 9時ピタリに食器を置くと、まるで何日も 食事にありつけてなかったかのようにガツガツ と食べ始める。誰も取らないから、ゆっくりよく噛んで食べなよね、と言ってはみるが聞いちゃあいない。 そんなハリを眺めるのがわたしも 旦那も好きで、ベストポジションの取り合いになる。一心不
うちのハリネズミはもうすぐ5歳。いつのまにかわたしの年齢を追い越して、おばあちゃんになった。白内障で視力はもうほぼないようだが生まれもった抜群の嗅覚を駆使し、これまでと変わらずに過ごしている（ご飯の前にとんでもない方向を向いて待っている時もあるけれど）。何かを失っても動じず、残ったものを最大限に活かして日々を精一杯生き抜く。小さな小さなハリだけど、その潔さとたくましさにはただただ感服するばかり。わたしもこんな風に強く生きていけたら。
#あの選択をしたから 半年近い休職後、復職を目指していた私に総務部長は冷ややかに「○○さんに やってもらう仕事はもうないです。」と言い放った。懇願してまで残りたい会社でもなく、もともと半ば強引に実家のあった大阪の支社から横浜本社に転勤させられてきただけであったので、未練などなかった。 横浜に暮らして5年近く、新宿や銀座など少し足を伸ばせば行ける名の知れた場所にも興味は湧かず結局一度も行かなかった。雑誌に載っているおしゃれなカフェや雑貨屋などにもほとんど足を運ぶことはなか
