それが夢だとは気づかなかった。犬を入れるバッグが盗られ気が狂ったように名を呼び続けていた。夢の中で絶望と後悔と、どれだけ大切な存在だったかを思い知っていた。犬ならば確率的に私より先に死に私は看取る。しかし生き別れなど思ってもなかった。もしそれが人間の子なら苦悩はいかほど。

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