簡易エッセイ「やっぱり彼女は完璧だ」

やっぱり彼女は完璧だ。
 私よりも知っている。

やっぱり彼女は完璧だ。
 都会のキャッチに動じない。

やっぱり彼女は完璧だ。
 短いスカート姿が見たい日に、長いスカートをはいてくる。

やっぱり彼女は完璧だ。
 私が誘うまで、いちごん発せず待っててくれる。

やっぱり彼女は完璧だ。
 長い髪を、甘い香りで満たしておいてくれる。

やっぱり彼女は完璧だ。
 高いヒールで、よろめいてくれる。

やっぱり彼女は完璧だ。
 届きそうで届かぬ距離でいてくれる。

やっぱり彼女は完璧だ。
 私に一度も、触れてこない。

やっぱり彼女は完璧だ。
 あの日の記憶で、一生分の妄想をくれる。

やっぱり彼女は完璧だ。
 毎日一緒にいれる日を、期待させてどっかへ行った。

やっぱり彼女は完璧だ。
 卒業式に出てこなかった。

やっぱり彼女は完璧だ。
 ほしい答えは彼女だった。

やっぱり彼女は完璧だ。
 その答えだけは、教えてくれない。

やっぱり彼女は完璧だ。
 いつか期せずして都会の交差点で会えたら良いな。

やっぱり彼女は完璧だ。
 なぜって彼女は、なにもかも私の思い通りなんだもの。
 


 


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