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大学

午前授業の後、兄弟子教授の元へ用があり某大学を訪れた。(こういう時間の使い方出来るのも私立教員の嬉しい所だなぁ)

丸太サイズの材が欲しくて学生も使わない様なお手頃な材が無いか問い合わせた所、沢山余っているとの事だったので伺った次第だ。

研究室と隣接する木工室にお邪魔すると、何人か学生さんと思われる人達が制作をしていた。それを見て懐かしくあり、羨ましくもなった。何より部屋中に立ち込める、ツンとする生木を彫った時の香り。やっぱ大学の木工室って最高だなぁ。

僕は同級生や近しい先輩後輩に木を彫る研究生がおらず、木工室をほとんど独占し制作していた。教授の教えを殆どマンツーマンで受け取れた事や、我が物顔で機材や道具を使いまくれたのはアドバンテージだったが、孤独ではあった。絵画やデザインの同級生はいたが、木工室は1人だ。何人かで同じアトリエをシェアしてあーだこーだ言い合う時間が羨ましくもあった。

一通り材を車に積んで、研究室で一息。教授の道具や機材の事などであーだこーだ喋った。ここ最近シンポジウムとか、展示とか、ワークショップとか色々誘ってくれる。多分僕が近くに引っ越して来たのもあって、誘いやすい人材としていい様に使われているのもあるんだけど。笑

そんな話題の中で出て来た、新たなお誘い「会社入る?」

その教授が運用する、一般社団法人がある。林野庁から助成を受け「木の創作活動に関わる仕事を何でも行う」会社。主に木を用いた展示物の制作、展示物の制作、教育普及を目的としたワークショップの開催などなど行っている。

最近お手伝いとして誘いを受けているのもその会社の絡みのシンポジウムや展示だった訳だけど、正式に組織の中に入って仕事しない?ってところだ。

この会社の創立直後から今にかけての動きは間接的に関わって来たりSNSで動向を確認していたので、何となくイメージはついている。メンバーが軒並み大学の講師や教授になっていって、実働出来る人達が減って来ているといったところだろう。

マジで確実にこき使われるのはイメージつくんだけど、興味深い。最近制作意欲半端ないので、余裕でオッケーしてしまった僕。もう公務員でも無いので(おそらく)副業的な扱いになっても問題は無い。

制作していく上で、目的意識は大事だ。
だから僕は、年に一回は展示の機会を設ける事を社会人になってから自分に課した。
では展示を重ねていく目的は何だ?

1つは制作が楽しいからだ。で多分だけど、2つ目に「業績」にしていく事だ。

朧げながらも、次転職する事があるならば、大学の教員だろうとは思っている。ただその時は自分の制作のスタンスがブレる事無く、積極的な大学への転職活動を行う事無く、だ。僕の恩師の教授や、兄弟子教授の様に、「大学に木工室を構えられること」「学生達と木と美術教育について研究をする事が出来ること」この2つが条件だ。条件に合う大学の求人が現れた時に、僕は飛びつくだろう。

なんでこんなにも偉そうなのかと言うと、なんだか血気盛んに大学への就活の為に教授達とコネクションをつくる人達を何人か見て来たので、なんだかな…と。そこまでへりくだらないといけないのかなと。研究者って、もっと芯があって環境に合わせてその芯をずらすような真似はしないと思うんだが。少なくとも僕はそういう人に教わりたい。

まぁそうはいっても展覧会歴や論文の何本か作っとかないといけない。その様な機会が無かったとしても、履歴書出してダメだったとしても、ガッカリはしたく無い。あくまで制作が楽しいから僕は展示を続けている。オマケで業績がたまってったらラッキー。それが大学の転職にも役に立ったら更にラッキー。そんなスタンスでいたいね。(めんどくせー性格。)

で、その業績の一助になりそうなこの入社のお誘い。ワークショップや展示の企画の経験は、必ず活きるだろう。

丸太よりも、更に価値のある良いお誘いを頂いたと思った。とりあえず8月頭に木工ワークショップのお手伝い。バリバリ働こう。笑

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