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敷居

僕は霜降り明星が好きだ。

社会人1年目、実家で暮らしていた際にオールナイトニッポンを聴いて好きになった。当時職場での人間関係が上手くいかなくて、唯一の娯楽がそれだったな、などと思い出す。それから4年弱、ニッポン放送とABCラジオの2本のラジオは毎週欠かさず聴いている。

好きな要因は色々あるんだけど、1番は「ストイックさ」なのかなぁと思う。常にお笑いに対してもの凄く野心と闘志を燃やしている。何でもお笑いにしてしまおう、掌握してしまおうとするスゴさがある。単純にその姿勢をみて僕も美術とか教育とか、自分のフィールドで発揮しないといけないとな、などと刺激になる。尊敬にも近いかもしれない。

ただ、闘志が行き過ぎて炎上したりネットニュースになる事は多々ある。これは主に粗品。テレビやコンビのyoutubeとかでは外面よくやってるけど、自分がやりたいお笑いってのが一本あって、そこはずっと曲げずにどこかで発表を続けてる。絶対賛否両論あるところを、賛同を増やす路線で売れようとは思ってない。批判も受ける。その代わりにお笑いにさせてくれと言わんばかりに尖っている。人気者になりたい訳じゃないんだよな。その結果ある程度人気があるんだからすごい。

粗品がyoutuberおもんないって言ってるのがイジメっ子といじめられっ子の構図でお笑いとか関係無く人として良くないってネットニュースになってたけど、そういう意味では粗品はずっと良い人ではないし良い人な訳ないんですよ。本人もよく言っている事だけど芸人って演者でありファンタジーであり、本音で言ってる部分なんて何一つ無い。全ては誰かを笑わせるため、自分のお笑いをやるため。そこのプロ意識ってのは彼らは人一倍あると思っている。youtuber批判も中途半端に良い人のままやると冷めるしお笑いにならない訳です。批判も受けますから貫かせて下さいっていうのはそう言う事。よく本人達も言っているが、粗品は島田紳助になりたいらしい。

その上で、粗品って良い人ですよ。それは芸人としてではなく、人として。なので↑とは矛盾しない。まぁこれを掘り下げるのは痛ファンのそれなのでやめておく。

あともう一つ、これは半分憶測だけど、粗品は古き良きお笑い芸人の敷居の高さを新しい形で守ろうとしているともいえる。ダウンタウンの松ちゃんの事や、プラスマイナスの岩橋の事があり、所属事務所(吉本興業)が今不安定であると。その事務所の次世代のホープである霜降り明星としては、youtuberに芸人が仕事とられたりおもんないタレントやアイドルなどに芸人が合わせてお笑いにしたりする流れを、情けないと思ってるんかなぁなどと思う。事務所の意向を汲み、ある種政治的に。人は誰もが笑いをとれる、とって良いとは思うんだけど、お笑い芸人は笑いをとるのが仕事であり、他の素人とは常に一線を画して、敷居を高く持っていたいよな。何でもかんでも面白いって言ってたら自分達のお笑いの価値が下がる。その気持ちは大いに分かる。

僕も美術の授業やるにあたって、生徒が喜ぶ、楽しい題材設定ってのは分かるしいくらでもやってあげられる。ただあまりそれに寄りすぎてしまうと「誰でも楽しめる美術」しか伝えられなくなるんだよな。デッサンとか、風景画とか、技能が求められる題材を生徒がしっかり理解して努力して作品を完成させる、そういう感動体験を味わえる題材もやらないと、美術全体の敷居を下げてしまう。平たく言うと美術がナメられる。これは今の職場は特にそう。男子だけだからってのもあるのかな。

全員が面白いと思うお笑いは新しいカギとかまぁその辺で大事にしつつ、賛否はあるけど過激なお笑いもやらせてくれ、っていう所でしょうね。

何にせよエンタメを楽しむ我々はとやかく言わずに、供給されたものを受け取るだけでいい。賛も否もしなくていい。なのでこの記事も実はナンセンスだが、自分用記録として許せ!って感じである。

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