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入院・手術〜術後補助療法確定②

「そうそう。ルミナルはBでした。」
主治医はいとも軽くそう言ってのけた(←勝手にそう聞こえたというだけです笑)

一方の自分は乳がん告知よりずっとずっとショックだった。「ルミナルBなら化学療法推奨じゃん(焦)抗がん剤やった方がいいの?やんなきゃダメ?」要は、ガンよりも抗がん剤の方が恐怖だったということになるでしょうか。

心臓バクバクしながら抗がん剤治療が必要か訊ねたところ、

「ルミナルA、Bをそんなに厳密に分けて考えなくていいと思いますよ。Ki-67の値も20ならすごく高い訳ではないし、リンパ節への転移もなかったのでホルモン療法のみでよいと考えます」というのが主治医の意見だった。

しかし、「ルミナルAならホルモン療法一択、Bならホルモン療法+化学療法推奨」とすでに刷り込まれていたため、ホルモン療法のみでよいという主治医の意見には喉から手が出るほど飛びつきたかったものの、ほんとうにそれで後悔しない?自分の命かかってるんだからね?大丈夫?と高速で自問自答。   

ダメだ。決められない。どうすりゃいいんだい。
あっ!こういう時にやる検査が確かあるんじゃなかったっけ?

治療方針に迷ったときに参考になるデータが得られるオンコタイプDXという遺伝子検査があることはすでに知っていた。手術で摘出した自分の組織から一部を検査に出して、再発リスクを1 〜100の数値で予測してくれ、術後9年の再発率と、抗がん剤治療をやった場合とやらないでホルモン療法のみの場合を比べてどれぐらいの抗がん剤上乗せ効果があるかを予測してくれる検査だ。但しこの検査を受けるには幾つか条件があること、保険適応外なので費用が高額なこと、但し現在は無償で検査ができること(理由はここでは省略)というあたりがどうもスッキリと理解しきれておらず、自分が受検条件適合なのか?ほんとうに今なら無償なのか?どの医療機関でも検査を申し込めるのか?このへんがあやふやだった。

「先生、オンコタイプDX やってみたいんですが、できますか?」

「みふさんは受検条件には当てはまってますね。ただし、無償っていう話はちょっと聞いたことないですね。無償の話はどこから?」

ある大学病院の乳腺外科がやっているブログの無償について触れた記事を主治医に見せるもピンと来ていない様子。

「どうしてもということなら費用を払ってやることになりますが、保険適用外の検査なのでけっこう高額ですよ。どうしますか?」

どういうことなのだ?間違いなく無償で検査している人たちがいるのに・・。無償と有償のわかれ目は何なのだ? 費用の45万円は結構インパクトある金額だ。費用を払ってでもやりたいです!とすぐには言えない金額だった。

どうしたものか決められず、思考停止状態になっていたところ、「少し考えますか?いますぐ決めなくてもいいですよ。」との主治医の言葉に一旦持ち帰ることにし、2日後の予約をしてこの日は帰宅した。

この後あれこれググってみたものの、無償と有償の決定的な分かれ目が何なのかは分からず、こうなったらもう自己負担でやるっきゃない。あとで後悔しないように。こう決心して2日後に主治医のもとへ行ったところ、

「みふさん、すみませんでした。オンコタイプDX無償です!」

「えーっっ?そうなんですね?やりますやります!やってください!でもどうして一昨日は分からなかったんですか?」

「検査を請ける会社から他の先生に連絡は来ていたんですが、そこからの共有がちょっとできていなかったというか・・」

無償なことが分かってホッとしたものの、この乳腺外科、たしか先生は3人だけなのに連携できてないって大丈夫かね?わたしの主治医、大丈夫かね?、と不安な気持ちが湧いたのは言うまでもないことだった・・

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