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あの世とこの世

「対極的なものは一つの全体である」というのが人智学的な考え方です。例えば、真偽、善悪、美醜、幸不幸といったものは、ものごとの裏と表であって、切り離すことはできません。もし、世の中の女性が全員「完璧な」美人だったとしたら、男は誰も女性に振り向かないはずです。「個性」とは醜さあってのものなので・・・だからといって、嘘をついたり、悪いことをしたり、なりふり構わないことが当然だと言っているわけではなく、それらを克服することにこの世を生きる意味があるわけです。では、何故、悪いことをする連中がいなくならないのか?彼らははじめから善い人たちに比べて、さらに善くなる可能性のある人たちなのですが、時と場所を間違えている人たちなのです。つまり、あの世でやれば素晴らしいことをこの世でやってしまっているのです。例えば、あの世で誰かを殺してあげるということは、その人にとって実にありがたいことのはずです。人智学がもっと普及すれば、あの世とこの世の「違い」、そして、それらが一つのものであることが分かる人たちが増えて、世の中もっと良くなるのではないでしょうか?

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