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スフィンクスによる謎かけ

スフィンクスは通りかかった旅人に謎かけをして、答えられなかった人を餌食にした、という伝説がありますが、私たちは皆、人生の旅人なので、本当は絶えずスフィンクスによる謎かけに晒されていると言えるでしょう。例えば、周囲にやたら気に障る人、あるいは嫌な事象がある場合、それは正にスフィンクスに他なりません。では、どうしたらよいか?ゲーテによる「対象的思考」が有効と思われます。これは一言でいえば、自分を無にして対象が語る言葉に耳を傾ける、という態度ですが、言葉と言っても、語られたものというより、ちょっとした出来事などの場合が多いようです。対象がポロっと本音を漏らすのを待つということですが、この「出来事」というのは、どちらかというと目立たないか、あるいはむしろ嫌な出来事の場合が多いので、見落としたり、できるだけ見ないようにしたりしてしまいがちです。重要なのは「自分を無にする」ということですが、これは、自分を無くすというのではなくて、シュタイナーが言うところの、「キリスト衝動」に従うということです。これは要するに「自分」という一点から物事を見るということは、正に宇宙全体からそれを見るということに他ならない、という自他の対極性を克服した意識です。なお、ゲーテによる対照的思考については、以下の文献で分かり易く解説されていますので、ご参照ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/morpho1979/2000/22/2000_22_84/_pdf?fbclid=IwAR2gPS8Okc_w-41rhi4s1JCBQyrkMuQdVAjF-oJqcwyqUrSQN33XVu2TuBM

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