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【日記】空港H脱出。

今年最後の投稿ですかね。
実はもう次を準備してるんですが。

「羽田空港」

東京都大田区の沖合に位置する、わが国における元祖・空の玄関口。
このアクセス手段として60年に渡り機能してきたのが東京モノレールだ。
その終着駅として1993年に開業した羽田空港第1ターミナル駅(現在は途中駅)の改札口に設置されてるジオラマが改装工事で撤去されると聞いて、
すっ飛んできました。
そして、歩いて空港を出ました。
そんな話です。
【取材日:2023年12月26日】



・サーカスみたいに飛びたいね

羽田まで一番便利なのはどう考えても京急電鉄なのだが、今回は趣旨的にモノレール一択。なので浜松町駅に向かう。

小便小僧のいる駅としてお馴染み、浜松町

東京モノレールも1964(昭和39)年の開業当初は浜松町と羽田駅(空港の拡張工事により現存せず)を往復するだけの路線で、「ウルトラマン(第22話「地上破壊工作」)」「ウルトラセブン(第5話「消された時間)」でも空港アクセスのシンボル的に登場したが、高速バスや京急との競争激化を受け徐々に途中駅も増え、列車ダイヤも途中駅に停まる各駅停車とノンストップの"空港快速"に二元化された。
今回乗るのは当然、空港快速である。

ベース・タイタン(「ウルトラマンマックス」)
方面を臨む

第1ターミナルまでは僅か18分。その間の車窓からの眺めは相変わらず素晴らしい。小さい子供からすれば、モノレール自体が既に飛行機みたいに飛んでる感覚になりそうだ。

到着。
お目当てのジオラマは北ウイング側の改札にある。

改札内外の両方から見られるこのジオラマはモノレール自体と高速道路が1/150、所謂Nゲージサイズだがそれ以外のビル等はより小さなスケールでデフォルメされている。それにより、実際の素晴らしい眺望を彷彿とさせる作りになってるというのは考え過ぎだろうか。

既に「羽田空港駅」を再現してた区画は撤去されていた。
オタクには文化放送最寄り駅としてお馴染み?
浜松町駅も今や再開発中。

私は羽田空港を使った事は数える程しかなく、使うにしても京急で来る事が殆どだが、その度に態々地下に降りていってはこのジオラマを見に行った。高校の修学旅行では帰りに寄った。
とにかくジオラマと聞けば簡単に釣られる男の子だったが、それだけに思い入れの深い場所だ。
来年はモノレール開業60周年、この駅がもっと便利になる事を祈りたい。


・ストレートに歩いて帰ろう

さて、目的は果たしたので、次は空港を出る。
「羽田空港 歩いて出る」などとヤホーでググると結構最近の記事も出てくるしここで自分が改めて書く意味は皆無なのだが、まあお付き合い頂ければ。

羽田空港第1ターミナルの到着ロビーを出て、南ウイング側に直進すると、

タクシー乗り場のその先に続く歩道。
これ別に立ち入り禁止という訳ではなく普通の歩道である。舗装に沿ってしばらく進むと、

車道と合流。
これは首都高速湾岸線及び国道357号線(東京湾岸道路)。何となく予想はつくが滑走路の下をトンネルで抜けるルートだ。

その先は階段になっており、昇ると先ほどのトンネルの上に出る。

目の前に現れる横断歩道を渡り左へ進むと、モノレールの新整備場駅の入り口が見えてくる。

駅入り口の横を通る飛行機!
これだけで「RIDE ON TIME」か
「What a Feeling」が脳内再生されそうだ

駅入り口に通じる歩道の前には陸橋が続くが、今回はその左脇の歩道を進む。

陸橋を渡ると整備場一帯をぐるぐる回る羽目になります。
回るパラボラ ゲートが開く

すると先ほどの陸橋を潜って、再び道路と合流する。あとはこの道路に沿って、再びトンネルを進むのみ。

各ターミナルを結ぶシャトルバス

トンネルの長さは約890m。歩道は車道より一段高く人通りも当然のように全くない。しかしすれ違う車両は大型車ばかりでその爆音がトンネル内にこだまするので結構怖い。ついでに異臭もする。

それでも何とかトンネルを抜けると、左手は東京湾、右手は滑走路という感じだ。

なにやら標識が。
何とここまで通ってきたのは環八通りだったのだ。

既に日は西に傾いておりなかなか眩しいが見晴らしは極めて良い。更に真横には行きに乗ってきたモノレールの線路が姿を現し、真下を通る事も可能だ。

モノレールはトンネルから飛び出す

やがて前方に信号が見えてくると、空港の第3ターミナルが近い。というところで横断歩道を渡り、海側に出てみる。

防潮堤を登った先は「ソラムナード羽田緑地」と呼ばれる遊歩道のようになっており、東京湾、というか多摩川の河口を抜群の景観と共に歩く事が出来る。さっきまでの薄暗く空気も汚いトンネルとは大違いである。

海ほたる、もとい
ベイエリア55(「救急戦隊ゴーゴーファイブ」)方面を臨む

ここまで来ればもう川を北上するだけである。
せっかくだから多摩川スカイブリッジを渡ってもいいのだが今回はスルー。
穴守稲荷神社の大鳥居を目指す。

多摩川スカイブリッジ
道中に突然現れるJR東日本の看板。
この地下に東京と川崎を結ぶ貨物線用トンネルが
通っている。
既に新年の準備は万端。

この鳥居はかつて、穴守稲荷神社一の大鳥居として現在の空港滑走路内に立っていた。
先の大戦後、神社一帯は進駐軍の強制収用によって空港の敷地にされたが、何故かこの鳥居だけは壊す事も倒す事も叶わず、そのまま空港の一角に40年以上残り続けたという。
平成に入ってようやく現在地に移された鳥居の側には、羽田と穴守稲荷の歴史を伝える掲示板もあり、この鳥居が羽田空港と周辺地域の共存共栄の証なのだと伝えている。決して平坦では無かったその道のりに、暫し思いを馳せてみるのも悪くない。
所要時間はちょうど1時間といったところ。

・歩みを止めなかった

さてここから穴守稲荷駅に向かって散歩は終わりだが、その前にやたらカッコいい駅名の由来となった天空橋を覗いていく。

人と自転車専用

かつてはこの橋の蒲田側に駅があり、当初「羽田駅」と称していた新駅への移転に伴い旧駅周辺の住民の足として架けられた橋だそうで、天空橋の名も住民の公募によるもの。ここもまた空港と地域が共に歩んだ歴史の一部だろう。
ここから蒲田方面に5分ほど歩けば穴守稲荷神社へ。


進駐軍の強制収用により現在地へ移転してきた。
穴守稲荷へ直結、京急。

お稲荷様なので本来は豊穣の神であるが、空港と歩んだ歴史から穴守稲荷はいつしか航空安全、空港鎮護の信仰を集めるようになった。
何かと巨大施設を巡る対立が絶えない東京にあって、何と美しい歴史だろうか。

一つ勉強になったところで駅へ向かい、帰りは京急とJR。
今年最後の散歩が終わった。


最後になりますが、今年も1年というか5月からNoteにお付き合い頂きありがとうございました!

ではでは。

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