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堀井美香さん朗読会

先日、友人とランチをした後、靴と帽子を見たいという友人の付き合いでデパートに寄った。
デパート1階では催事をやっているもよう。
なんとなく、大きな声で笑ってはいけない雰囲気を感じ、何のイベントだろうと振り向くとそこには

フリーアナウンサー堀井美香さんの朗読会のお知らせが。
そしてその向こうには堀井美香さんが、朗読をされていた。


フリーズした。


突然ステイホームが始まり、出かけることが激減し、在宅勤務が始まり、人と会うことが減り、暗いニュースばかりの2020年。
私を救ってくれたことのひとつが堀井美香さんとジェーン・スーさんのポッドキャスト番組、「オーバーザサン」だったのだ。
今も毎週金曜日聴いている。
なんなら、その日の朝も途中まで聴いていた。


その堀井美香さんが目の前で(正確には横から立ち見)朗読会をしているのだ。
フリーズして動けずにいる私を見て、付き合いの長い友人はさっさと見切りをつけ、買い物してくるねーと私を置き去りにしてくれた。

ありがとう友人。


美しい堀井美香さん


堀井美香さんと私は同年代。
年齢的には押しも押されぬおばさんのはずなのに、美しい。
元TBSアナウンサーだし、今も人前に出られる仕事だけど、とはいえ、それにしても、とにかく美しい。

そして、近くで見るご本人の美しさは尋常ではなかった。
目がキラキラしている。

朗読会は、堀井美香さんの著書を購入した方のためのものだった。
著書を購入された方は、椅子に座って堀井美香さんと向かい合う形で座り朗読会を聴いていた。
でもデパートの1階なので、私のような通りすがりの人も周りでたくさん聴けるスタイル。

わたしが聴けたのは、「葉っぱのフレディ」の最後の方から。


続いて「幸福の王子」


最後に「ゼペット」
ピノキオをつくったゼペット爺さんのお話



幸福の王子は子供の頃に読んだけど、目のサファイアを抜かれ、金箔を剥がされるのがなんだか痛そうぐらいしか覚えてなかった。

堀井さんが潤んだ目で気持ちを込めて読むことで、それぞれの物語に温かい命が吹き込まれる。


 
え、泣いてる、私?
泣きそうな予感も無かったのに、ほんとに気づいたら目から水がどんどん出て、しかも拭いても拭いても止まらかった。


堀井美香さんが全国で朗読会をされているのは、ポッドキャストでも何度も話されていたので知ってたけど、正直ピンとこなかった。
本は自分で読めばいいかな、って。
だけど全然違った。

登場人物ひとりひとりに、王子にも、ツバメにも、堀井さんが読むことで、切なさ、報われない気持ち、哀しみ、愛情があふれる。

自分で何十年ぶりになにかのきっかけで本を手にして読んだとしても、あそこまで感情が動くことは無かっただろう。
声の仕事というのは、プロの中のプロの仕事というのは、こういうことなんだ。 

そして、堀井さんご本人も泣きたくなっているのか分からないけど、横から見る堀井さんの目がずーっと潤んでいた。
なんて美しい人なんだろう。
生き方が顔に出るとはこういうことか。

逆に私は大丈夫なのか?目がしんでないか?
感涙にむせびながらもしっかりそんな雑念も入ってきて気持ちは忙しい。


一冊読み終える度に、作品への想いを短く伝えてくれる言葉も温かく、もうできればトイレに避難して号泣したかった。(情緒、大丈夫か?)

堀井美香さん、今度はちゃんとチケットを買って朗読会に行きます。


朗読会が終わるとそのあとは著書を購入された方おひとりずつと言葉を交わしながらのサイン会。

サイン会の前にいったん舞台からはけた堀井さんが目の前を通る。


あ、ありがとうございました
オーバーザサン聴いてます

言葉を絞り出した私にキラキラの笑顔を返してくださった堀井さん。

握手して頂けますか?の言葉が出ずに気づけば無言で手を中途半端に出してしまい、指先のみで握手をして頂いた。
握手してくださいと言えず、不躾なことをしてしまったとあとから反省しきり。


また友人と合流し、堀井さんがね、目の前通ったの!と感動を押し付けながらデザートを食べに行き

昔ながらのかためプリン


このあと堀井美香さんに出会えることをまだ知らなかったランチタイムには、いつものお店で美味しい定食も頂いて


冬の間に絶対このお店で食べると決めていた
念願の牡蠣フライ


とても良い日だった。
体験する前から、これはやらなくていいかな、行かなくていいかな、と食わず嫌いしないことって大事。

堀井美香さんに教えてもらった気がする、そんな土曜日。



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