体育科における自由進度学習について

体育科では、基本的には「けテぶれ学習法」を活用した授業を行なっている。

しかし、自由進度学習を意識したものではなく、どのように実現したらよいかを考えていきたい。



まず、体育においても「予見」「遂行」「省察」の三段階で授業の流れを考えていきたい。

「予見」では、何時間完了で、どこまでに何をできるようになるかを考え、今回はどこまでやるかを決める。

例えば「バスケットボール」の授業では、初回がガイダンスで、児童はバスケットボールのルールや必要な技能、練習方法などを学び、それらを使ってどのようにできるようになっていくかを考えて、計画を立てる。(見通しを持つ)

「遂行」では、実際に試合を行い、その運動の特性を掴んだり、技能の必要性を感じ、分析をして現在地を確かめ、練習をして技能の習得を図っていく。

「省察」では、ふり返りを行い、計画通りにできるようになったか、これからどうするか、などをふり返って次時につなげていく。


このように考えると、現在できていないのは「予見」だけで、単元を通して何をできるようになるか、何時間完了でどの時間までに何をするか、などの見通しを児童に持たせることさえできれば、やれそうである。

他の種目でも基本的にはこの流れでいく。

器械運動や陸上競技、水泳では個人でけテぶれサイクルを回しながら、友達の力を借りながらできるようになっていく。

球技では、チームでけテぶれサイクルを回していき、必要な技能は個別に練習を進めていき、できるようになっていく。

体つくり運動では、自分の記録から現在地を確認しながら、けテぶれサイクルを回していき、目標の記録をクリアできるようになっていく。

表現運動では、QNKSを使って、作品を作って行く。(インプットからのアウトプット)

注意点は社会科の単元内自由進度学習の時と同じで、本質から外れたお喋りを続る子たちや、人の邪魔をする子、何もしない子、などにどう接するかで、心マトリクスを用いて、これからどうするのかを考えさせ、促していきたい。



では、なぜ体育科で自由進度学習をしようと思ったのか。

まず、学習・探究をする場であるため、個別最適で協働的な学びを実現するには最適であると考えたから。

自分の課題に対して、けテぶれのサイクルを回して「できるようになる」ことが重要なのだが、そのサイクルを、自分のペースで何度も回すこと(試行錯誤を繰り返すこと)により、自己調整をしながら粘り強さを発揮できる。

みんなと同じペースでは、自己調整も、粘り強さも発揮しづらいため、自由な空間を作り、最低限の目標を示しつつも、どこまでも上を目指すことができるようにしたいと考えている。

確かに、教師が一から十まで教えたら効率よく力がつくかもしれないが、生涯にわたって学ぼうとしたり、できるようになろうとはしないかもしれない。

そこには、やはり主体性が関わってくる。

主体的に自分と向き合うことで、将来の健康体力をどうしていくか、考えることができるようになっていく。

そういった力を児童につけるのに、自由進度学習は最適である。

今後、やっていき、また振り返っていきたい。

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