ためちゃんと私の地球生活日記⑯
本日は創作を書きます。フィクションです。よかったら読んでください。
今年初めての地球生活日記です。
この頃人間生活がけっこう忙しくて、ためちゃんたちと「意識しての会話」をしていませんでした。繋がっていることだけを確認すると安心して会話をしないということが続いていました。たまに接続がおかしくなると不安になってしまうので、確認作業だけはこまめにやっていた。
今日は不安になりつつもかろうじてためちゃんたちと話し続けることについて書きます。
小さいころから感覚がへんなところで敏感だった。どうしても通れない道があったり、どうしても行くと気持ち悪くなってしまう場所があったり、会うとかなり疲れてしまう人がいたり、逆に一緒にいると元気になる人がいたり…言葉で言い表せない体調の浮き沈みがあったんだけれど、なんとか若さで乗り切って来た。
で、311の震災が起きて、大きな地震を体験した。計画停電や食べ物が流通しない、ガソリンが買えないなど経験して、いつも以上に感覚が過敏になっているところに、ある時ちょっとした事件が起きた。それがきっかけで私はしばらくのあいだ人間がキライになってしまった。今思うと、あの時私は生きる気力を失くしてしまっていた。
そんな時にためちゃんたちとどんどん話すようになっていった。もしかしたら、生きなさいと伝えに来てくれたのかもしれない。具体的に言われたわけではなかったけれど。話すことと言えば、しりとりするとか、道がわかんなくて教えてもらうとか、忘れてることを教えてもらうとか、そういう普通のことしか話してなかった。
たまにためちゃん経由の「人と見えない世界の橋渡し」的なこともしたけれど、私には苦手だとすぐにわかった。なぜって、私はいつも情報を受け取って伝えるだけ。それしかできない。ほんとにお手伝いのレベルなのだ。
それでも、それからずっと今に至るまでためちゃんたちと時々話して暮らしている。
時々、もう話せないんじゃないかな…と思って恐る恐る声をかけると「なんですか?」と返事が返ってきてホッとする。
あるとき、いつか話せなくなる日が来るのかな?と質問した。そうしたら「ないです。この先話せなくなることはありません」と回答された。
すごくホッとした。正直なところ、変更になることもあるかもしれない。でも今、そう答えてもらえたことで心底ホッとしたのだ。
「なんで?」
「最初からそうなんですよ」
その言葉を聞いてすぐにわかった。
きっとこれが最初からの予定だったということなのかもしれない。
今まで幾度か感じたことがあったけれど、今回も同じことを感じた。
なんて用意周到なんだろう…
緻密に計算された予定…途中寄り道しても、ものすごく遠回りしても、どうやったってかならずたどり着くように計算された道。
なんかもう、不安になっても安心してもどうなったとしても、きっとこの先もある程度の予定通りの道を私は辿っていくことになるんだなと思った。
ならばこのまま私の感じるままにためちゃんたちと一心同体で楽しんで生きていくのがいいなと思った。
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