信用創造

みなさんは、銀行がお金を貸し出す時、
銀行が銀行で持っているお金を貸してくれていると思っていませんか?
私は当然そうだと思っていました。

実は銀行は自分で持っていない、
どこにも存在していないお金を作って貸し出すことが出来ます。
魔法使いみたいですね。

まさに貸し出しのとき、私たちからすると借金をするときに
”お金が創られるん”です。
これを可能にするのが銀行の持つ「信用創造」という機能です。

民間の銀行(みずほとか、三菱UFJとか、三井住友etc)は、
私たち顧客の預金総額の1%程度を日銀に預けるという条件で、
他の99%の金額の貸し出しが可能なんです。
例えば、A銀行にみんなが預けているお金が総額1億円だった場合、
100万円を日銀に預ければ、
9千900万円は貸し付けに回してよいということですね。
これを準備預金制度といいます。
でもこの1億円は顧客のお金であって、
顧客の預金は銀行にとっては預り金なのであり、
いずれは顧客に返さなければいけないという性格上、債務です。
銀行が自分で持っているお金ではないわけです。

Wikipediaには
「現在の日銀の銀行に対する法定準備率は0.05〜1.3%であり、各
銀行は日銀に預け入れた金額を準備率で除した額を個人や企業に貸し付けることが法的に許可されている。」
とあります。

何もないところから作ったお金ですから、返済で戻ったときにはもちろん相殺で消えてしまいます。

この”お金が創られる”は”お金が刷られる”とは全く別です。
”お金が創られる”はマネーストックを増やすことでした。
”お金が刷られる”はお札を製造するということです。

イメージがしやすいよう、お札の源流を辿ってみましょう。
(1)まず、国立印刷局が紙幣を刷ります。
(2)できあがったお札は日銀の金庫に入ります。
ここで注意したいのは、日銀の収入としてでなく借入として
金庫に入るということです。
あの私の手書きの図を思い出してください。
日銀の資産(左)と負債(右上)が同額増えたということですね。
誰からの借入か。当然の疑問です。
これは誰からでもなく、貸主がいない借金として扱います。
(マジでへぇ~ですよね)
(3)みなさんが民間銀行の自分の口座から現金を引き出すと、
銀行のお札の在庫が減っていきますね。
民間銀行は日銀に当座預金をもっています。
ここから民間銀行が現金で引き出すことによってはじめて、
日銀の金庫に入っていたお札が民間銀行に移動し、
(4)また引き出しによってATMから出ていくのです。

お札の量はマネーストックのうちのわずかに8%。
実際、銀行にはみんなが預金しているだけの現金は用意されていません。

預金者が全員一斉に自分の預金を現金で引き出そうとしたら、
お札が足りなくなってしまいます。
これが取り付け騒ぎのメカニズムです。
普段は現金で使いたい額だけを引き出しているので
問題にならないだけです。


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