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$ゼロの焦点(朗読) 松本清張


$ゼロの焦点(朗読) 松本清張

https://youtu.be/DwuGk-7YBRU?si=ranXuDwXbX-OdnkG

https://youtu.be/u2p08-ygyDM?si=bHsnmO3r8XCzXXFa

$ゼロの焦点 松本清張



ゼロの焦点』(ゼロのしょうてん)は、松本清張の長編推理小説。北陸地方を舞台に、太平洋戦争直後に端を発する時代の傷痕が生んだ連続殺人事件を描く。

『虚線』のタイトルで『太陽』に連載され(1958年1月号 - 2月号、連載時の挿絵は御正伸)[注釈 1]、同誌休刊後、『零の焦点』のタイトルで『宝石』に連載(1958年3月号 - 1960年1月号、全19回、連載時の挿絵は土井栄)、1959年12月に光文社カッパ・ノベルス)から刊行された。

1961年2009年の2度にわたり映画化、また多数テレビドラマ化されている。

あらすじ

板根禎子は26歳。広告代理店に勤める鵜原憲一と見合い結婚した。紅葉が盛りを迎えている信州から木曾を巡る新婚旅行を終えた10日後、憲一は、仕事の引継ぎをしてくると言って金沢へ旅立つ。しかし、予定を過ぎても帰京しない憲一。禎子のもとへ、憲一が北陸で行方不明になったという、勤務先からの知らせが入る。急遽金沢へ向かう禎子。憲一の後任である本多の協力を得つつ、憲一の行方を追うが、その過程で彼女は、夫の隠された過去を知ることになる。

主な登場人物

原作における設定を記述。

鵜原禎子

本作品の主人公。旧姓板根。新婚後間もなく夫が失踪し、行方を追う。

鵜原憲一

禎子の夫。広告代理店「A広告社」の北陸地方の出張所元主任。東京本社へ栄転となり事務引継ぎのため金沢へ出張、そのまま失踪。

本多良雄

憲一の同僚。「A広告社」北陸出張所主任(憲一の後任者)。禎子に協力し、憲一の行方を追う。

鵜原宗太郎

憲一の兄。憲一の失踪後、京都出張のついでに金沢へ立ち寄り、謎の毒死を遂げる。憲一の過去における「影」の部分をある程度知っていた。

室田儀作

金沢在住の地元名士で「室田耐火煉瓦株式会社」代表取締役社長。

室田佐知子

室田儀作の後妻。才色兼備の賢夫人。儀作と結婚する以前は東京に住んでいた。

田沼久子

「室田耐火煉瓦株式会社」の社員。同社の煉瓦工場に勤めていた工員の未亡人。本社ビルの受付嬢をしている。ひどくくだけたアメリカ英語を話す。

曽根益三郎

「室田耐火煉瓦株式会社」生産部の工員。 田沼久子の内縁の夫。謎の投身自殺を遂げる。

https://www.imdb.com/title/tt0227858/


$解説
自殺した夫には、妻も知らない、もう一つの名があった──。
『点と線』と並び称される、清張初期を飾るミステリーの最高傑作!

縁談を受け、広告代理店に勤める十歳年上の鵜原憲一と結婚した禎子。本店勤めの辞令が下りた夫は、新婚旅行から戻ってすぐに、引き継ぎのため、前任地の金沢へ旅立った。一週間の予定をすぎても戻らない夫を探しに、禎子は金沢へ足を向ける。北陸の灰色の空の下、行方を尋ね歩く禎子は、ついに夫の知られざる過去をつきとめる。
戦争直後の混乱が招いた悲劇を描き、深い余韻を残す著者の代表作。

本文より
「君の唇は柔らかいね。マシマロみたいだ」
とほめられたときも、はっとそのことが胸に来た。夫は自分と誰かとを比較している。比較して言っている言葉だと感じた。夫の熱い息を頬に受けながら、密度を禎子がうけとれなかったのは、そのせいだった。
誰とくらべているのだろう。禎子はその時、夫の過去の女ではないかと思った。三十六歳という年齢からすれば、夫にそのような過去があったのはふしぎではない。だが、たとえ過去の人でも、現在のように比較されるのが厭だった。……(本書101ページ)

本書「解説」より
一個の文学作品としてはやはり松本清張の秀作のひとつだ、というのが私の意見である。一口にいって、オキュパイド・ジャパンという未曾有(みぞう)の社会的混乱のなかから派生したひとつの社会的悲劇を、一見平凡な一会社員の失踪という事件に具体化した作者の着眼がすぐれており、その着眼を歩一歩と現実化してゆくプロセスもまたすぐれている。第一章における主人公の眉のあたりの憂鬱やだれかほかの女とくらべられたと思う女主人公の直観など、なかなかわるくない。
――平野謙(評論家)

松本清張(1909-1992)
小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派"の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。

$読者レビューより引用・編集
松本清張の作品で初めて手にしたのがこのゼロの焦点。古き良き推理小説。今の時代の携帯などがない、ホシを追って手がかりを追って、何度も現地や地方に足を運んで読み解いていく王道殺人事件。最後の終わり方がなんとも悲しく美しく感じ、印象に残る作品。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1971/2/23)

  • 発売日 ‏ : ‎ 1971/2/23

  • 言語 ‏ : ‎ 日本語

  • 文庫 ‏ : ‎ 496ページ

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101109168

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101109169

  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm


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松本 清張

(1909-1992)小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。





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