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$ヴェーバーの迷宮 迷宮のヴェーバー (MINERVA社会学叢書 57) 単行本千葉芳夫 (著)


$ヴェーバーの迷宮 迷宮のヴェーバー
(MINERVA社会学叢書 57)
単行本 
千葉芳夫 (著)


$解説
ヴェーバーの迷宮をさまよった者の記録であると同時に、その迷宮への誘い。ヴェーバーを体系的理論家ではなく、矛盾と混乱に満ちた思想家として読み解こうとするものである。テキストにおける矛盾や混乱に焦点を当てながらヴェーバーを読みこむことを通して一般化した解釈とは異なる解釈を提示する。



【目次】

はしがき
凡例

第1章揺れるヴェーバー
1 揺らぐヴェーバー像――序にかえて
2 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の解釈
3 プロテスタンティズムの評価
4 禁欲と人格

第2章近代のペシミズム――ヴェーバーとニーチェをめぐって
はじめに
1 ニーチェの影響の時期
2 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の解釈
3 「鉄の檻」と「人格」
4 騎士的精神
5 学問論

第3章ヴェーバーにおける科学と合理性
はじめに
1 科学と意味問題
2 科学と合理性
3 「文化人」と科学

第4章「神々の闘争」と科学
はじめに
1 「神々の闘争」
2 「神々の闘争」と科学

第5章ヴェーバーにおける普遍性の問題
はじめに
1 普遍性と個別性
2 普遍性と合理性
3 主観的な合理性と客観的な合理性――目的合理性と整合合理性
4 手段的・技術的合理性
5 形式合理性
6 手段的・技術的合理性の限界

第6章「法社会学」における形式合理性と実質合理性
はじめに
1 シュルフターと中野の解釈
2 形式的な法(formales Recht)の概念
3 法の形式性の二義
4 用語の混乱
5 「法社会学」の再解釈
6 法の歴史的発展傾向
7 形式的な法の実質的な法への転化

第7章ヴェーバーと官僚制
はじめに
1 官僚制の技術的優秀性
2 官僚支配
3 官僚制の社会的影響
4 「文化人」と「専門人」
5 政治家と官僚
6 「非人格性」、「事象性」

第8章「儒教とピューリタニズム」における脱呪術化概念
はじめに
1 宗教の合理化の一つの規準としての脱呪術化
2 脱呪術化と合理的生活態度
3 脱呪術化と脱伝統化
4 呪術と伝統

第9章脱呪術化と合理化
はじめに
1 「脱呪術化」の二つの意味
2 宗教社会学における「脱呪術化」概念
3 ヴェーバーの合理化・合理主義概念
4 合理主義と伝統主義
5 脱呪術化の意味(1)
6 脱呪術化の意味(2)

第10章脱呪術化と意味喪失
はじめに
1 主知主義的合理化と意味喪失
2 宗教の脱呪術化と意味喪失
3 宗教の脱呪術化の意義

補遺『マックス・ヴェーバーの犯罪』をめぐって
はじめに
1 羽入の指摘
2 「コリントI」7・20問題
3 羽入説の検討
4 残された問題

あとがき

人名索引/事項索引

$読者レビューより引用・編集
ウェーバー宗教社会学を迷宮として捉える著者の視点は斬新。
①特殊西欧的な「脱魔術化=合理化」としての宗教社会学研究は、儒教と道教(中国)、ヒンドゥー教と仏教(インド)、古代ユダヤ教(イスラエル)の広範な研究成果を踏まえて、最終的にはプロテスタンティズムの「禁欲的職業倫理」に結実。
合理的な計算による営利・蓄財を肯定する態度が資本主義のエトスを意味するというのがウィーバーの宗教社会学。このウェーバーの観点は特殊西欧的な合理主義的精神の追求であって、これにより唯物史観を否定することではない。なぜ、ヨーロッパがいち早く「脱魔術化=合理化=近代化」に成功したのかという宗教社会学的研究の主題は、特殊ヨーロッパ的発展(近代化)要因の探求である。
②この広範な研究テーマを世界史的 見地からやり遂げるためにウェーバーが採用した手法が、新カント派が考案した理念型の利用であった。そしてヨーロッパの近代化を因果関係の下に理解(解釈)する理解社会学のカテゴリーの形成が為された。
③こう考えるとウェーバーの宗教社会学研究は「迷宮」ではなく、「明解」であるはずである。しかし、あまりに広範な研究の射程のために、研究は行き詰まり、しばしば頓挫し、ウェーバーを神経衰弱に追い込んだのである。このあまりに厳格かつ「価値中立的」な態度は無理があった。
④著者が提示する「迷えるウェーバー」像はあくまでも研究に行き詰まるウェーバーの姿であって、芳信とテーマは一貫していたのではないか?
色々解釈の余地がありそうだ。それを提示するのが本書の目的であり、成功している。
お勧めの一冊!

商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ヴェーバーの迷宮をさまよった者の記録であると同時に、その迷宮への誘い。ヴェーバーを体系的理論家ではなく、矛盾と混乱に満ちた思想家として読み解こうとするものである。テキストにおける矛盾や混乱に焦点を当てながらヴェーバーを読みこむことを通して一般化した解釈とは異なる解釈を提示する。

著者について

《著者紹介》*本情報は刊行時のものです
千 葉 芳 夫(ちば・よしお)
1950年愛媛県生まれ
京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学
大谷大学文学部助教授、佛教大学社会学部助教授を経て、
現在 佛教大学社会学部教授

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

千葉/芳夫
1950年愛媛県生まれ。京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学。大谷大学文学部助教授、佛教大学社会学部助教授を経て、佛教大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ ミネルヴァ書房 (2019/12/17)

  • 発売日 ‏ : ‎ 2019/12/17

  • 言語 ‏ : ‎ 日本語

  • 単行本 ‏ : ‎ 232ページ

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4623087336

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4623087334

  • 寸法 ‏ : ‎ 15.4 x 1.7 x 21.7 cm







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