衛生管理のプロが伝授!マイクロピペットとピペッターの最適な使用法
食品衛生管理の専門家であるあなた。
毎日使っているマイクロピペットとピペッターですが、正しい使い方、選択基準はしっかりと把握していますか?
この記事を読めば、それらの疑問がすべて解消します。
実験の精度と効率を飛躍的に向上させるための情報を手に入れましょう。
細菌検査とは?
細菌検査とは、食品や水などの微生物汚染を調べるための試験です。
主に食品製造業などで使われていますが、医療や製薬業界でも重要な手段です。
特定の細菌が含まれているか、またはその数を数えることで、製品の安全性を確保し、健康被害を防ぐことが目的です。
細菌検査の一般的な流れ
細菌検査の流れは次のようになります。
まず、試料を採取します。
次に、試料に含まれる細菌を培養します。
そのためには、培地(細菌や真菌が発育するために必要な栄養分が含まれているもの)を作り、試料をそこに塗布します。
そして、一定時間、適切な温度で菌を発育させます。
この期間中に細菌は増殖し、見える大きさのコロニーを形成します。
最後に、コロニーを数えることで細菌の量を測定します。
コロニーについて詳しく書いた記事をご紹介します。
細菌検査におけるマイクロピペット/ピペッターの重要性
細菌検査では、マイクロピペットやピペッターが重要な役割を果たします。
これらの器具は試料の精確な量を測定し、移動するためのツールです。
適切な量の試料を正確に取り扱うことができれば、細菌の数を正確に計算することが可能になります。
また、これらの器具を正しく使用・管理することで、誤った結果を防ぎ、品質保証を図ることができます。
マイクロピペットとピペッターの違い
細菌検査を行う上で、マイクロピペットとピペッターは欠かせない道具となります。
しかし、これらは似たような役割を果たしながらも、その特性や使用状況は大きく異なります。
ここでは、それぞれの特徴と使用状況について詳しく見ていきましょう。
各々の特徴と使用状況
マイクロピペットは、主に小量の液体を計量するときに使用されます。
マイクロリットル単位で試料を扱う際に便利で、非常に精度の高い結果を得られます。
一方、ピペッターは、ホールピペットやメスピペットに取り付けて、液体を吸い上げたり流し出す時に使います。
有害な液体を吸い上げる際に、ピペット上部に装着して使用するゴム級のこと安全ピペッターといいます。
使用状況は、試料の量や精度によります。
少量の試料を非常に精密に扱う必要がある場合、マイクロピペットが最適です。
一方、厳密な精度が求められていない試料を移動させる必要がある場合は、メスピペットが適しています。
この時、有害な液体を吸い上げる場合は、必ず安全ピペッターを使います。
したがって、どちらを使用するかは、その時々の検査の要件によります。
重要なことは、適切な道具を適切な場面で使用することで、最高の結果を得ることが可能となることです。
マイクロピペットとピペッターの正しい使用方法
正しい使用方法を覚えることは、マイクロピペットとピペッターの性能を最大限に引き出し、正確な実験結果を得るために不可欠です。
使い方
マイクロピペットの使い方は、
①容量を設定します。
②マイクロピペットの先端にチップを装着します。チップは容量に合ったものを選びます。
③液体を吸い込みます。マイクロピペットには第一ストップと第二ストップの2つがあり、まずは、第一ストップまで押して液体を吸引します。
④液体を排出します。第一ストップまでゆっくり押して液体を排出し、更に第二ストップまで押すことで、液体を完全に排出することができます。
ピペッターの使い方について、ここでは、安全ピペッターについて説明します。
安全ピペッターにはA(Air)、S(Suction)、E(Empty)と呼ばれるバルブがあります。
①ピペット上部を安全ピペッターの下部に差し込みます。
②Aを押しながら中の空気を抜きます。
③Sを軽く押して液体をゆっくり吸い上げます。
④Eを押して液体を排出します。
⑤Eにある穴をふさぎ、横にある小さな膨らみを少し押して、残った液体を押し出します。
適切な維持管理方法
マイクロピペットとピペッターの維持管理は、器具の寿命を延ばし、結果の精度を維持するために重要です。
使用後は必ず清掃し、精度を確認します。
また、不適切な取り扱いや落下などから器具を保護するため、使用しないときは適切な保管場所に保管することが重要です。
これらの手順を守ることで、正確な測定結果を持続的に得ることができます。
よくある質問
Q1. マイクロピペットの操作が難しいです。どうすればうまく使えますか?
A1. マイクロピペットの使い方は練習が必要です。初めは小さな量で練習し、徐々に量を増やしていくと良いでしょう。また、押し下げる時はゆっくりと力を一定に保つことが重要です。力を加えすぎると、サンプルが飛び散ってしまいます。
Q2.マイクロピペットはどのようにメンテナンスすべきですか?
A2.少なくとも3ヶ月毎に、取扱説明書に従ってピペットを分解し、汚れを拭き取ってください。内部の清掃が終了したら、ピペットを組み立て、正常に動くか検査を行なってください。
Q3.マイクロピペットの精度はどう確認すれば良いですか?
A3.マイクロピペットの精度を確認する一つの方法は、蒸留水を測定することです。設定した量の水を吸引し、精密な天びんで重さを計ることで、精度をチェックできます。誤差がある場合は調整が必要です。
これまでに解説したマイクロピペットとピペッターの使い方と選択基準を活用することで、あなたの実験は更なる精度と効率性を手に入れるでしょう。
これからも、最適なツールを選び、正しい方法で利用することで、品質の高い研究を続けていきましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?