見出し画像

ついに私にも春が到来か…!?

 この話は3月くらいから現在まで進行中ではあるが、なんとなく今までの心境をまとめたくなったので書いてみようと思う。だいたい3本立てくらいにするつもり。書こうと思えばいくらでも重くできるし、軽くコメディ風にもできる。でもやはり読み手がいるわけだから、なるべく読みやすい文を目指そうと思っている。


 
 今年3月。所属しているサークルの活動の一環で、私は海外にいた。慣れない乾燥した空気と時差ぼけで参りながらも、サークルの本番を無事終えて、たくさん観光をし、充実した日々を過ごしていた。しかしその中で、いつも平穏無事な私の心が波立つ瞬間があった。

 本番や練習の合間の、自由に観光をする時間に、私はある同期の男子と共に行動することがあった。通学路が似ていたり、共通の話題があったりで、それなりに喋れる仲の男子である。少し治安が悪いが、夜景が綺麗なその国で、私はその男子を含めたグループで観光していた。

 私が夜景や行き交う人々を見ながら、ぼけーっと歩いていた時、急に何者かにガシッと腕を掴まれた。心臓が縮み上がった。悪いやつに絡まれたか!?と思った。見ると、その男子が私の腕を掴んでいる。「え、どういうこと!?」
 
 どうやら平和ボケした私は知らず知らずのうちに通行人と至近距離ですれ違ってしまっていて、彼はそれを阻止するために咄嗟に私の腕を掴んだようだ。(海外はスリが心配なのでね…)しばらく脳内が混乱していたが、とりあえず彼が私を守ってくれたことに気づいた。
(ごめんよ、悪いやつと間違えてしまって笑)
そしてふと我に返った。
「今、私の腕触ったよな…!?」(注:心の声)

 思春期を女子だけの空間で育った私は、少なからず男性アレルギーになってしまっていたようで、ちょっとしたことでも動揺するようになっていたのだ、情けない…。
でも、私が危険な目に遭わないよう彼が配慮してくれたという事実に感謝し、心の中でお礼を言った。(口頭ではなぜか言えなかった…)

 それから本番など色々あって、帰国する前日になった。その日も私は偶然にもその男子と同じグループで観光することになった。街ブラし、レストランで美味しい料理を食べ終わった後、私がお手洗いに行こうとすると、彼もついてきた。で、出てくるタイミングも被り、一瞬だけ私たち2人以外周りに人がいない空間が生まれた。彼は言った。

「○○(私の下の名前呼び捨て)と同じ○○線(通学利用の電車)でよかった。仲良くなれてよかったよ(的なニュアンスのこと言ってました)」

 私は、ふぇ!?と思った。わざわざ2人だけの時に言うの、それ!?人たらしすぎないか?心なしか動揺してしょうもない段差でつまづきそうになり、彼に「大丈夫?」と心配され、なんか有耶無耶になってその場は終了した。

 それから私は帰国し、時々海外での出来事を思い出しながらも時は流れて、4月になった。サークルが再開し、私は再びその男子と会った。その日の夜、私はたまたま連絡することがあって、LINEで彼に話題をふっかけていた。
すると、突然、だけどすごく自然な流れで、酔った彼はとある演奏会に一緒に行こうと誘ってきたのである。

「えええ!?」私の心の中がざわめく。動悸がする。こ、こ、これって、サシだよな?そりゃそうだよね??ってか、で、で、でーと??

 動揺が全身を走る。ドキがムネムネ。震える指でメッセージを打ち、当日空いている旨を送信。あっさり一緒に行くことが決まった。

 さあ、大変だ。彼氏いない歴=年齢、男性アレルギー気味の私。果たして乗り越えられるのか?(いやそれはあいつに失礼か…笑) そして、あの男子にもし気があったのなら。いやそんなはずはない、あいつはただの音楽バカだ。絶対ない。て言うか私に気がある人なんていない。でも海外であんなことやこんなことがあったぞ…。じゃああれは何だったんだ?
そして、私の気持ちはどうなんだ?私は今嬉しいのか?困ってるのか?わからない。わからないぞ。

 何もそんなにテンパる必要があるか?っとツッコんでほしい。なんなら頭もペシっと叩いてくれ。それくらい、情けないくらいに動揺した、ある春の夜だった。


(次回に続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?