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ホコリマリモ

朝、時々出会うその子は
世界一静かな足音で
私の横を静かに
風に乗って過ぎていく
時々は私の隣で
時々は柱の陰へ

その子に会うと
なぜか目が離せなくて
ついて行きたくなる

改札から出て
バスのロータリーが見える頃には
その子は大きくなっていて
私なんかには構わずに
行きたい方向へ黙って颯爽と駆けていく

いつか君のように
気まぐれに
辻々に留まりながら
誰にも見つからないで
忙しい朝を眺めていたいな

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