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舞台『ノラ-あるいは、人形の家-』

こんにちは☀️
丸い金平糖(群)です!

今回は夏川椎菜三部作の中からの第三作と言われている
『ノラ-あるいは、人形の家-』
を観劇したので感想を書き連ねていこうかと思います!
一個人として感想を書き連ねていきますので、そんな感想なのね〜くらいに読んでいただけると嬉しいです☺️

今回の舞台
『ノラ-あるいは、人形の家-』

今回の舞台『ノラ-あるいは、人形の家-』は、ナンちゃんが出演した朗読劇『怪人二十面相』を観劇しに行った際に公演される事を知りました。
『怪人二十面相』も深作さんの手がける朗読劇だったので、素敵なご縁💛
と思い立ち、最速での申し込みとなるとTrySailのポータル先行で申し込みをしましたw

『夏川椎菜の三部作』

『オルレアンの少女-ジャンヌ・ダルク-』
こちらで初めて女優、夏川椎菜を拝見しました。
東京公演のチケットが取れず、絶望していた時に届いた大阪公演という朗報!
迷わず飛びついて運良く大千穐楽のチケットを確保することができました。
あのジャンヌの演技を観たからこそ、深作組。
そして夏川椎菜の舞台を観劇しに行くようになったと思います。

『未婚の女』
夏川椎菜の三部作。
第二作品目となった『未婚の女』
抽選チケットは全外れ。
唯一の頼みの綱であった注釈席にかけた、TrySailのSuper Blooooom公演の日の朝。
システム障害にもめげることなく、チケットをゲット!
サヘルローズさんと宮村優子さんがダブルキャストだったため、どちらもひと公演ずつ観劇。
演じる方が違うと、他の役者さんの演技も変わり捉え方が違ってくる舞台ならではの感想が出てきました。
物語が難しく、2回観劇できたのは物語を咀嚼するのに良い刺激でした!

『ノラ-あるいは、人形の家-』
そして今回、夏川椎菜の三部作。
第三作品目となった今回の舞台。
ナンちゃんの舞台!
とテンション上がって最速でチケットを申し込み、今回は1発で観劇できる予定だった東京公演のチケットを確保!
平日は仕事の為、平日の夜公演と土日の両部。
合計で6公演分。
そのくらい深作組での『夏川椎菜』の舞台が観たかったのですねw

チケットを無事に確保でき、いざ入金の段階で少し不安が。
第二作品目だった『未婚の女』がめちゃくちゃ難しかったのです。
自分の中に咀嚼して感想として落とし込むまでとても時間がかかりました。
今回の『ノラ』も難しかったら、落とし込む前に次の公演が来る事になる。
その点が少し不安要素としてありました。

ですが、過去の夏川椎菜の舞台で既に味を占めていた私。丸い金平糖(群)。
(。∀゜)「ナンちゃんの舞台演技が観られるなら、行きゃいいや!」🐥
不安要素なんてすっかり忘れて、水戸公演のチケット予約準備を始めましたw

ルンルンでチケットを申し込んで全部で8公演のチケットを確定させましたw

そして迎えた初日

前日に深作さんからヒヨコ群へアナウンスされた
『宮地さんへ投げつける生卵🥚の持参』
深作さんへの絶大な信頼の元、せっせと🥚を調達!
職場に食用目的では無い🥚を持って行き、いざ初日公演(夜)
※会場で割れるとご迷惑をかけるので、選ばれたのは『ゆで卵』でした。

初日昼公演を観劇した優しいフォロワーさん達が、快く職場の最寄駅へ迎えに来てくれたおかげで道に迷わず時間にも間に合いましたw
この場で感謝🙏

迎えに来てくれたフォロワーさん達から
『日替り衣装はサンタ🤶』という情報と、未婚の女よりわかりやすかったという情報を入手して安心して着席。
深作組特有の舞台前の秒針の音。
あの音を聴いていると、演者さんが出ていないのに舞台の世界が創られていく。不思議な感覚ですよね。

パンフレットでナンちゃんのおみ足を眺めていると、何やら舞台の方から咽び泣く声が。
顔を上げると既に宮地さんが?!
同じ状況になった人、手を挙げて🖐️
🐥仲間w🐥

心の中で『秒針の音大きくなってないよね?』
と焦った事でしょう。私もです。
深作さんと宮地さんにしてやられましたよ。
ƪ(˘⌣˘)ʃ
コレは見逃したらリピするよw

そんな焦りなど関係なく舞台は開演。
(二回目に観劇した時に気がついたのですが、宮地さんが舞台上に現れたのは開演時間の5分前。
そしてナンちゃんの最初のセリフが丁度開演時間。
宮地さん、演技しながら時間までピッタリ持ってゆくなんて……。)

ナンちゃんの一言目のセリフ。
声のトーンが低く、少し怖かったです。
ノラは怖いママなのか?と思いました。
そして始まる爆音の音楽!
歌うとは聴いていたけど、こんな初っ端からとは想いもしませんでした💦

ナンちゃんを始め、宮地さん以外全ての演者さんが音楽に合わせて歌って踊って始まった舞台。
宮地さん演じるトルヴァルだけ別世界に居る様に感じましたが、あのシーンは1年経っても空っぽのままのトルヴァルと、トルヴァルから離れていった他のキャラクターとの対比シーンだったのでは無いかと個人的には感じました。

歌とダンスが終わった時、ノラがトルヴァルへマイクを手渡すシーン。
あのシーンを皮切りに舞台となった1年前のシーンへ。
ナンちゃんが言う「ぴょん!」は好きなのに、ノラが言う「ぴょん!」は、ノラが自身に嘘をついている様に感じましたね。
自分の気持ちが自分でも迷子になっている様な、だけどそれすらも無意識で。
ノラはそれまでの人生を、ずっと自分の意思で動いていると錯覚していたのだろうか。

娘のエミー、そしてヘレーネへプレゼントを渡すノラ。
ノラは笑顔でプレゼントを手渡していましたが、受け取った2人の表情は満面の笑みではなかったと思います。
そんなノラがトルヴァルへ強請ったプレゼントは『お金💴』
あそこでノラがお金を強請ったのは、借金の返済に充てるためかと思っていましたが、今思い返すとトルヴァルから貰ったお金を持っていながら、ノラはクログスタへ「手持ちが無い」と言っていました。
あのお金をノラは何に使うつもりだったのだろうか……。

物語がノラの自宅で進んで行く過程で、登場人物がどんどん入れ替わっていきます。
ノラを演じるナンちゃんはずっと出ずっぱり。
最初は『ナンちゃん、表情とかセリフもあるし、立ち位置も全部覚えて大変だっただろうな。』
と言う感想でしたが、ノラが自宅から殆ど出入りしていないと考えると、昔、シルバニアファミリーで遊んでいた時の記憶を思い出しました。

今はこんな感じになってしまった私ですが、昔はよく『人形遊び』をしていました。
(コレでも女なのでw)
女の子が遊ぶ人形遊びって、結構『家の中』がメインになるんですよね。
お家とお人形がセット!みたいな感じです。
今回のノラは『女の子がお人形遊びをする時のお人形』って印象でした。

ヘレーネ

続いて娘のエミーがいる場面で、ノラがクリスティーネと話をする場面。
エミーにとってあまりよろしく無い話の空気になったのを察して、ヘレーネがエミーを呼び寄せるシーンがありました。
最初に観た時は
『ヘレーネがノラに気を遣ってくれた』と解釈していました。
が、観劇回数を重ねるにつれて
『同じ母親として、娘にそんな姿を見せるノラからエミーを遠ざけて、"ノラ"ではなく"母親"と言う存在を守った』そんな解釈へ変化しました。

自分の娘を施設に預けているヘレーネが、自分の持つ"母親"の印象を守りたかった。だからそんな行動をとったのでは無いかと今は思います。
ノラと同じく、娘をもつ母親だからとった行動。
ヘレーネの持つ理想の母親像ってやつですね。

ヘルメル家の厄介ごとを全て引き受けていた、可哀想な印象も無くは無い。
ノラがやらかす度に動いていたのは
"紛れもなくヘレーネ"
だけど、仕事として割り切って動いていたのではないかと感じました。
今回の登場人物の中では、1番"良心"を持っていた様な感じがしました。

クリスティーネ

クリスティーネは終始、ノラに対して寄り添っている様な印象を持った方が多かった様ですが、私はそんな事はないと思いました。
だって最初にクリスティーネが
「ノラが昔のままで良かった!」と発言した後
ノラが
「私の事、バカで世間知らずで何にもできない奴だって思ってる?」
クリスティーネは「この話は辞めよう」

コレは確定でしょ?
ノラ本人が言った通り『バカな奴』と思っていると遠巻きに行った様なものです。
クリスティーネも家族を亡くしたりして自分の為に働こうと頑張るけれど、どう足掻いても空っぽになってしまい心機一転しようと訪ねてきたからまぁ……。
なんて感想にはなりません。
ノラが歳上のトルヴァルと結婚してから一度も訪ねてこなかったのに、自分が助けて欲しくなった時に訪ねた。

まるで保険の勧誘です。

ある意味、ノラにとって1番残酷な存在なのでは無いかと思いましたね。

ランク先生

ランク先生はノラに対する自身の叶わない想いを自己満足で伝えるわ、女の私からしたら終始印象は最悪。結構ヤベェ奴でした。
トルヴァルが居ない場面でのノラへの接し方。
無理でしたw
(塩谷さん凄すぎる)
ノラが「いつかトルヴァルを罵ってやりたい!」
と言った時、流れで
「自分達に言ってみれば良い」となりましたが、あの辺りで『おや?』といった印象。
ノラへの"愛の告白"は『やっぱりな』でしたw

終いにはノラにしかわからない方法で、自分の現状を伝えるという、まさに『自己満足!』
ノラを大切にしている、想っているならあんな伝え方しないやろ!(ノ'□’)ノ⌒⊥___⊥
もう直ぐ死ぬからって好き勝手荒らして去ってゆきました。

そんな印象だったランク先生ですが、所々では自分の気持ちを押し込めて、ノラを守ろうとしていたのはわかりました。
最後だけはランク先生の気持ちを純粋に受け入れられましたw
ランク先生が最後のノラに言った言葉は、自分が死んで今後助けることが出来なくなるノラへ贈った、ノラが変化するキッカケとなった言葉だと思います。

クログスタ

クログスタの印象は『野心家だけど普通の男』
同窓生のトルヴァルが頭取になったのに、自分は切り捨てられた。
その原因となった"サインの偽造"をそのトルヴァルの嫁であるノラが行っているという事実を利用して、元いた地位よりも上にのし上ろう。
そんな所はまさに野心の高さが垣間見えました。

同窓生でもトルヴァルより歳下だったクログスタは、確かにトルヴァルに対して調子に乗った態度をとっていたかもしれません。
けれど、頭取となったトルヴァルよりも歳下で近しい地位まで登り詰めたクログスタが
自分は優秀な人材。トルヴァルよりも。
と考えるのは自然な流れでは無いでしょうか?

私がそんなクログスタを"普通の男"と感じたのは、クリスティーネとのシーン。
あそこではクリスティーネとの会話を通して、変なプライドや虚勢が取っ払われていったと感じました。
プライドや虚勢があの場面で取っ払われなければ、クログスタを"普通の男"とは思わなかったと思います。

ノラを責め立てる場面は、過去の自分への怒りもあったのではないかと思いましたね。
「あんな事をしなければ……。」
そういった後悔も有りながら、ノラを責める事を辞めないクログスタ。
1番人間臭かったです。

エミー

エミーは私が8公演観た中で、1番印象が変わらなかった登場人物です。
ヘルメル家の娘で、ノラと同じく基本的にはお家の中にいる。
そのはずなのに、ヘレーネがいない時。
一緒に居るはずのノラとトルヴァルには
"エミーが見えていないのでは?"
と感じざるを得ないほどエミーに対するアクションが少なく感じました。

トルヴァルはノラや他の登場人物との絡みはとても多い印象でしたが、エミーとの直接的な絡みは少なかった。
ノラはエミーと会話は少ないし、話したとしても"娘に対して"というより"自分の思い通りになるはずの存在"。
そんな接し方をしている様な印象でした。

それを1番感じたのは、エミーがノラに対して
「本当に遊んでくれる?」と言った場面。
ノラからしたら自分を否定された様に受け取ったであろう場面ではないでしょうか。
そして"娘であるはずのエミー"が自分の言う事を聞いてくれず、手を出そうとした場面。
ノラはあそこでエミーへの接し方がおかしい事に気がついたのかもしれません。

そこで気がついた違和感をキッカケに、ノラは
自分はパパとトルヴァルの人形だった
という考えになったのではないかと思います。


トルヴァル

コイツですよ!
「クソキモジジイ! モラハラ野郎!」
でお馴染みとなったトルヴァル。
トルヴァルは1番矛盾を感じた登場人物でした。

クログスタやノラの事を「犯罪者!!」と言っていたのに、ノラの旦那という自分も当事者となった時に言った言葉は
「どうやってこの事実を揉み消せば……。」

やってんなぁ!🥚
パパの不正もやったらしいなぁ!

そして「男と女は平等だ。」
そう言ったトルヴァルの行動は、明らかに女を下に見ていました。
この作品が書かれた時代では珍しい
"男女平等主義者"だった様に見えたかもしれません。
けれど言葉の端々では"ノラ"をはじめとした登場人物の""への言動は明らかに『平等』とは真逆でした。

深作さんが『宮地さんへ』とおっしゃっていましたが、私は心の中で『トルヴァルへ』🥚を投げつけたくなりました。
男性からしたらちょっとした矛盾を感じる程度の場面だったかもしれません。
けれどこの舞台を観劇した女性は、トルヴァルの言葉が本当に嫌いだったと思います。
私は心の底からトルヴァルが嫌い
(宮地さんは大好きです。)

ノラ

本当に愚か。
ナンちゃんが演じていても好きになれない登場人物でした。
最初から最後まで誰かのせいにするノラに、なんか腹が立ちました。

自分はパパやトルヴァルの為にこんな事をやったのに!
それを否定して受け入れてくれない世界が悪い!パパやトルヴァルが悪い!

今の時代で生きる私からすると、ノラとは友達にはなりたく有りません。

トルヴァルと同じく、この作品の書かれた時代ではその価値観になるのも無理はないのかもしれないし、当然の流れ。
最後に紹介された『イプセンが自身の手で仕方なく書き直した別の結末』を観れば、そういう時代だったと尚更、理解はできます。

そして隠そうとしていた事実が明るみに出て、トルヴァルに突き放された時、ノラは作品が書かれた時代の現実を目の当たりにしたのではないでしょうか。
「コスプレは、もう終わりだピョン!」
ここでノラは人形から人間へ変わる決意をしたと感じました。

最後にトルヴァルへ別れを伝える場面。
エミーをようやくひとりの人間として扱ってトルヴァルと話した時、初めてノラが"母親らしい"と感じました。
トルヴァルやエミーの為。
それ以上に自分の為に家族だったはずの人と別れて家を出る決意をしたノラ。

東京公演では絶対に帰ってこないし、様子を見に影から見守るなんて事もしなそうだったノラ。
水戸公演ではいつか違う形で戻ってくるかもしれないと感じるノラ。
そんな感想でした。

別の結末

イプセンが仕方なく書き直した結末として、本編最後にナンちゃん達、役者さんが演じ直した結末。
ノラがトルヴァルに連れられて子供の寝顔を見た事によって、家を出ていかない
まさかの結末で拍子抜け。
トルヴァルの「奇跡だー!」
も『ナンだかなぁ〜』と思ってしまう結末。
この結末になるには、トルヴァルとノラはもっと前から話し合っていたし、ノラは『人形の奥さん』ではなかっただろうに。

そんな感想を持ったのは、おそらく今の時代は"女性"がこの作品の時代よりも自分の意思を示す事が増えたから。
"男だから" "女だから"
そんな価値観が未だにどこかにある現代でも、ノラが産まれた時代よりはだいぶ変わったのだなと思いました。

別の結末として紹介されなければ、この感想は出てこなかったと思います。


今回、ナンちゃんの演じたノラと同年齢という事で、他の人とは少し違った感想を持ったかなと思います!



さて!
好き勝手に感想を書き殴ってみましたが、長文を読んでお疲れではないでしょうかw
ここで可愛い可愛い我らがヒヨコ群の主人!🐥
夏川椎菜の魅力について書き連ねていく事も考えましたが、他の登場人物を演じられた役者様方についても改めて感想を書きたいので、ナンちゃんの日替り衣装の感想もそちらで改めて!

今回はこちらでご容赦ください。

良い時代です!🐥
それでは! ばいな〜んす!

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