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【西川流家元・西川千雅による・教え方講座】…離見の見(りけんのけん)。

『自分自身を離れたところから見る眼を持つこと』

世阿弥の残した役者の心得。

家元による講座は、日本舞踊の踊り方、教え方の実技の他にも、このような、社会人として必要な内容の座学が織り込まれています。


舞台に立つ身でありながら、私が、この言葉を知ったのは、そんなに昔ではありませんでした。
20代の頃に、「舞台にいる自分と、それを客席で冷静に観ている自分を意識する」事をしなさい。と教えてもらいましたが、それがイコール、「離見の見」と言う言葉なのだと、知り調べてみたのは、それからずいぶん時間が経ってからでした。

自分自身をさまざまな方向から客観的な眼で見ている。 

意識はできるものの、実はこれはかなり難しい事と思っています。

離れたところから自分を見ることにより、お客様からはどうみえているのか?
どう踊ったら、どう見えるのか?
自己満足ではないか?

普段の生活や、人との関わりの中でも、実はとても大切なことだと思います。

やり方としては、時間をおいてみる。
空間…距離をとってみる。(歩いてる自分を、高い建物の上から見てみる感覚)

立場…違う役割の人になった気持ちで、自分を見てみる。  
舞台ならは、お客様以外にも、演奏をしてくださる演奏家の眼、
照明や音響の立場の方などから、観た舞台にいる自分を観てみる(そう言う気持ちになってみる、)

などのやり方があるようですが、まずは自分自身で確かめ、確認をし、
自分が指導をするときにも、意識をしてみる、させてみる。

単に師弟関係のみではなく、色々な人たちとコミュニケーションを取る場面で、きっと役に立つことだと思いますので、忘れないようにしていきたいと思います。少し複雑ですが、試してみる価値はあります。

西川陽子

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