ざっくり財務諸表と株価分析

6月に入って投資先企業から株主総会(業績レポート)の案内が届くので、自分用におさらい的な感じでリマインド

財務諸表

■損益計算書(PL:Profit and Loss)
収益と費用の区分により、事業年度の経営成績を表す

出典:三菱UFJニコス

売上高
俗にいう年商。年商100億!!とか言って儲かっているかは分からない。

売上原価
本業で必要な仕入れコスト。

売上総利益
俗にいう粗利。業種別の主な粗利率は以下の通り。

  • 建設業: 約10-20%

  • 製造業: 約25-30%

  • 情報通信業: 約60-65%

  • 卸売業: 約15-20%

  • 小売業: 約20-25%

  • 不動産・物品賃貸業: 約40-45%

  • 宿泊業・飲食サービス業: 約30-40%

販売費及び一般管理費
販売活動や経営管理など企業運営に必要な費用。広告費、給与、オフィス費用など。

営業利益
本業で稼ぐ力を示す。業種別の主な利益率は以下の通り。

  • 建設業: 約5-7%

  • 製造業: 約5-10%

  • 情報通信業: 約10-15%

  • 卸売業: 約2-5%

  • 小売業: 約2-6%

  • 不動産・物品賃貸業: 約10-20%

  • 宿泊業・飲食サービス業: 約3-6%

営業外収益
本業以外から得られる収益。投資収益、利息収入など。

営業外費用
本業以外で発生する費用。借入金の利息、投資損失など。

経常利益
全般的な企業活動からの利益を示す。

特別利益
一時的な要因で発生する利益。資産売却益など。通常の事業活動とは別の要因で得られる利益。

特別損失
一時的な要因で発生する損失。通常の事業活動とは異なる損失。

税引前当期純利益
税金を差し引く前の企業の総合的な利益。

法人税等
企業が支払う税金。税引前利益から税金を差し引くと、最終的な純利益が算出される。

当期純利益
企業の最終的な収益力を示す最も重要な指標。※株主還元は純利益の積み上げ分から行われるため、株主は従業員や雇われ社長に比べ、リスクを取っていると言える。

■貸借対照表(BS:Balance Sheet)
決算日時点での会社の財政状態を表す

出典:クラウド会計ソフト freee会計

資産の部
・流動資産
会社が即座に使用できる現金や銀行預金。1年以内に現金化できる資産。
・固定資産
すぐに現金化できない会社が長期的に保有する資産。


負債の部(他人資本/銀行借り入れや社債)
・流動負債
会社が1年以内に支払う必要がある負債。
・固定負債 
返済期限が1年以上先の借入金。従業員の退職給付に対する引当金も含む。

純資産の部(自己資本/返済義務なし)
・資本金
会社設立時や増資時に出資された資金。
・利益剰余金
これまでの利益の蓄積で、配当金として支払われなかった部分。内部留保。

貸借対照表のポイント
・流動比率
流動資産を流動負債で割った値で会社の支払い能力。150%を超えていることが好ましい。
・自己資本比率
純資産を総資産で割った値で会社の安全性を表す。50%以上あれば優良。

キャッシュフロー計算書(CF:cash flow)
事業年度のお金の流れを表す

出典:ダイヤモンドオンライン

営業CFはプラスであることが大前提。投資CFは積極的が好ましい。財務CFは営業CFより小さいこと(借り入れの必要がない)。

株価分析

PBR(Price Book-value Ratio/株価純資産倍率)
株価/BPS(1株あたり純資産)で計算され、1倍以下の場合はマーケットが企業価値を純資産より下回る評価をしており、今すぐに会社を解散して株主に現金を還元したほうが良いと言える。別名で解散価値とよばれる。
1倍以下は割安と言えるが、マーケットがそのような評価をしているのには、何かがあるのだろうと調べた方が良い。

PER(Price Earnings Ratio/株価収益率)
株価/EPS(1株あたり純利益)で計算される。投資した元手(株価)が何年で回収できるのかを表す。日本株PERの適性値は15倍と言われるのは、過去平均利回りが6-7%程度で推移しているからだ。(100÷7≒15)

ROE(Return On Equity/自己資本利益率)
当期純利益/自己資本で計算される。投資の効率性を表し、ROEが10%を超えている場合、投資価値の可能性があるとされている。
※類似する指標にROA(経常利益/総資産)があり、全業種の中央値は約5%でこちらは経営の上手さを表す。

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