[短編] 夜迎

日の沈みゆく空の青色をなんと形容しようか。明らかに昼間のそれとは違う。色が濃縮され濃さを増し、体の芯に届き、空と地面の距離は口付けをするように近くなる。街はその輪郭だけを残し影に身を落とす。街灯が景色に点をうつも、遠くから見ると雲の上から散らしたように秩序がない、が、それでいい。そうして街は夜を迎える

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