【短編小説】ネフィリム 冷笑する神
その星の大地は“腫瘍”に覆われていた。
土も草木も見当たらない。コンクリート等の人工物も一片とて存在しない。
病んで膿み切った内臓を地平の果てまで広げたとしか思えぬ醜悪な世界は、それを俯瞰する者に、超巨大な生物に自身が呑み込まれてしまったような錯覚を抱かせるだろう。もっとも、これが本当に何かしらの生物の体内だとしたら、その生き物は想像を絶する苦悶と苦痛の真っ只中にいるのだろうが。
地面の至る所が不気味に、しかし有機体であることを主張するようにドクドクと脈打ち、カリフラ