第53回『ホストクラブは乱世に突入⁉ 上の世代と真逆の価値観が蔓延する理由』

うぃす!

大阪男塾の塾長です。

今回は、ホストクラブの価値観の変化について書くっすね。

僕がホストになったのは2003年の秋。

当時の都知事だった石原慎太郎氏が、突如、歌舞伎町浄化作戦を敢行したことで、ホストの世界が激変した時期でした。

さてホストクラブの歴史をたどりたい人に、おすすめの一冊があります。

ノンフィクションライター石井光太さんが迫った『夢幻の街 歌舞伎町ホストクラブの50年』。


この本を読むと、どのように業界が移り変わっていったかが手にとるようにわかるっすね。


ここ数年『丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー』のYouTubeチャンネルとかで、ちらほら取り上げられ始めた「西東京の帝王」土田正道氏のことも本で書かれてるっす。

少し説明しましょう。

八王子にあった『バリカン』というホストクラブのオーナーの土田正道氏が、従業員に恨みを買い過ぎて最後はバラバラにされるという、むごたらしい事件が起こったんすよ。

死体が発見されなかったんで「完全犯罪成立か?」と思いきや、警察の調査チームが周年を見せました。なんと土田氏の歯のインプラント手術で使われた、わずか7ミリのネジが汚水槽で見つけ、そこから犯人が発覚という衝撃の展開になったんすよ。

強メンタルを自負する僕も、さすがにこの事件を知ったあとは「幸太郎に恨みを買ってへんかな?」と怖くなって、しばらく優しくしました。

かつてのホストクラブは、ともすれば殺人事件が平気で起こるほど荒れ放題でした。

ちなみに被害にあった土田氏は『闇金ウシジマくん』の人気キャラ、滑川秀信くらいサディスティックで凶暴な人物なんで、絶対、一緒に働きたくないタイプっす。

そういえば僕がホストになった頃、上の世代を見ていて「めちゃくちゃやな」とよく感じてました。

場当たり的な経営もそうですし、一時的にめっちゃ稼いでそのあと失踪する先輩も少なくなかったっすからね。

ホストが快楽主義者なのは、今も昔も変わりません。でも価値観は時代とともに移り変わってるっす。

僕はむちゃくちゃな人間自体、刺激的なんで嫌いじゃないんすよ。

よくnoteに登場する秀吉とかは、その最たる例ですし、灯油を持ち歩いているクレイジーファイヤーな先輩とも、当時、仲良くさせてもらってました。

ただし自分が経営側に回ると、やっぱりむちゃくちゃだと人はついてこないっすよね。スジが通ってないと「この人、何がしたいねん⁉」と思われかねません。

オーナーになって1年目は、自分たちだけが楽しみすぎて、人がついてこなかった苦い記憶もありますね。
オーナーがしっかり経営方針を示す必要がありますし、ホストを育成していく必要があります。

自分が経営をする際に、参考になったのがたくさんの先輩でした。「これは見習いたい」と思う人もいれば「絶対マネしたらあかんな」という人も、たくさんいたんすよね。

特に僕よりも上の世代は「破天荒が格好いい」という価値観が強かったので、いかにむちゃくちゃできるかを競い合ってた印象が強かったっす。

でもそれがエスカレートしすぎて破滅する人もまた、めっちゃ多かったっすね。

僕は当時から密かに「こういう荒れた世界を、もうちょい真っ当にしたい」と考えてました。それで徐々に、自分が着手できそうなことから変革していったんすよ。

紫苑グループに在籍していたときは、フランチャイズ制の導入も提案しましたね。

「強固なシステムを確立すれば、安定してお店が回っていくはず」という考えがあったんすよ。

今、僕は店のオーナーなのでいろいろな決裁権があります。自分がホストとして働いてたところ「無駄が多いな」と感じてたところを徹底的になくして、ホストが働きやすい仕組み作りを実現していってるっすね。

そのせいか、うちのホストクラブで働いている人間は、いいヤツが多いんすよ。ただしそうなったら「ちょっと物足りひんな」って思わないこともないんすよ。

正直「ホストなら、もっと毒や牙を持っとけよ」という思いもあるっす。

強烈な毒というのは、ホストの魅力っすからね。

今、僕と同時代に働いていたホストがオーナーになってるっすけど、僕と同じように「業界をもっとよくしたい」って考えてた人が結構いたみたいです。

僕がホストデビューしてから数年は、かなり業界が荒れてました。でも僕らの世代がオーナーになったここ10年ほどで、大分モラルが上がりましたね。

とは言え「時代は繰り返す」というのも、また摂理っすね。

いつの時代も、ホストクラブは全国のやんちゃな人間が集まってくるっす。
幼少期をかなりハードな成育環境の中で過ごしたことで「絶対、成り上がったる!」「大金を稼いだる!」という反骨精神を持ったヤツは今でも結構いるんすよね。

きっと若い世代の中で「おっさん連中はぬるいなあ、甘いなあ」と感じている人間は存在するはずっすよ。

僕の予想っすけど、これからホストクラブはまた秩序が乱れていって「乱世の時代」に突入するんじゃないっすかね?

モラルが良くなったあと、また悪くなって、そのあとまた良くなる、そして悪くなるみたいなサイクルがずっと続いているのがホストの業界かもしんないっす。

いや、メディア業界もテレビ、YouTubeなどをまとめて考えるとそうだし、この世の全てのサイクルがそうなんかもしれないっすね。

僕の役目は、潮目が変わるのをしっかり見定めながら、柔軟に時代へ対応していくことっすかね。

もちろんいろんなことを楽しみながら、譲れない価値観は、ずっと守るっすよ。

最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!

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