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2023ベストアルバム30【洋楽編】20位〜11位

3回に分けてお送りしている2023ベストアルバム洋楽編、本日は20位から11位!! (30位から21位はこちらです!)


20位 Newsroom Costumers / Ed Motta

なかなか圧が強いエヂおじ

2013年のアルバム「AOR」が日本でもヒットしたブラジルのシンガーソングライター、エヂ・モッタおじ(52)の実に5年ぶりの新作。AOR、ってタイトルのアルバム出すくらいですからいわゆるAOR(Adult Oriented Rockのほう)っぽい音像なんですが、実にバラエティにとんだ楽曲が詰まった充実作。なおApple  Musicではジャンルが”MPB”となっていたのでMPBってなんぞや??と思って調べたところ、

ムージカ・ポプラール・ブラズィレイラ: Música Popular Brasileira, MPBエミ・ペー・ベー))とは、ブラジルの音楽形式(ジャンル)の1つで、英語的に言うと「ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック」の意。

wikipedia"MPB"より

・・ですって。ひとつ賢くなりましたね。

シティポップマニアとしても知られ、2003年の初来日時には3,000枚(!!)ものレコードを買って帰ったというエヂさん、わざわざ日本語訳のリリックビデオまで用意してくれているのでそちらをのせときます。

Ed Motta - 眠りの国 (リリックビデオ 2023 - 日本語版)


19位 Over Time / Zach Bryan

ジャケは地味だけど内容は滋味深い

米オクラホマ州出身のシンガーソングライター ザック・ブライアン(26)。昨年、34曲入り(!!)のフルアルバム「American Heartbreak」をリリースしたばかりなのに、まさかの新作。曲はもちろんどれも素晴らしく、なんでこんなペースでつくれるのか本当に謎。・・と思ったら今作リリース(8月)のたった一ヶ月後(9月)に新作EP(5曲入り、曲かぶりなし)出してる・・。こ、怖・・凄すぎて怖い笑

ブルース・スプリングスティーンとかスマパンのビリー・コーガンとか、異様なペースで曲書く人がたまにいるけど、そのクチかな。遅筆のわたしとしては正直羨ましくてたまらないです・・。

Zach Bryan - Overtime


18位 This Is Why / Paramore

なんか痛そう・・

米テネシー州出身の3人組ロックバンド・パラモア6年ぶり6枚目のアルバム。・・といってもメンバーはメインソングライターのヘイリー・ウイリアムス(Vo)以外結構入れかわりがあってややこしいんですが、とりあえず今作は前作と同じラインナップの3人。

前作では大胆にシンセポップに寄っていたサウンドはギターサウンドへと回帰し、過去20年のインディ/オルタナを咀嚼し再構築したような一枚。メディアからの評価も高く、年間ベストでもよく上位につけている様子。

10月には多数のアーティストによる本作のリミックスアルバム「Re:This Is Way」もリリースされています。

Paramore: This Is Why [OFFICIAL VIDEO]


17位 Phosphorescent / Gabrielle Aplin

個人的今年のベストジャケットで賞

ストーンヘンジで有名なイギリスの田舎町ウィルトシャーで生まれ育ち、現在はリッチモンド在住のシンガーソングライター・ガブリエル・アプリン(31)。2020年以来3年ぶりの4th Album。2013年のメジャーデビュー作「English Rain」が好きでよく聴いていたのですが、その後の活動は追っていなくて、たまたま雑誌で本作のレビューを見かけて聴いてみた次第。

前作はエレクトロなアレンジ中心だったようで、もちろんそれも悪くないのですが、本作では元のアコースティックなアレンジに回帰しており、素晴らしく暖かいボーカル、豊かなメロディーと相まって非常に心地良く聴ける1枚です。

”燐光を発する、青光りする”という意味を持つ”Phosphorescent”のタイトル通り、青白く幽玄な雰囲気のジャケットも素敵。本当に余談ですが太宰治の短編で”フォスフォレッスセンス“ってゆう作品があってそれが昔から大変好きなのでタイトルだけでぐっときました。

Gabrielle Aplin - Good Enough (Official Lyric Video)


16位 Memento Mori / Depeche Mode

そう、みんないつかは死ぬんですよね。

英イングランドのベテランバンド・デペッシュ・モード、6年ぶり15枚目のスタジオアルバム。1981年デビューですから活動40周年を超え既に大御所ですね。

前作『Spirit』を発表後、デヴィット・ガーン(Vo)は「このアルバムの制作とツアーで、デペッシュ・モードとしてやれることはもうすべてやりきった」と語っていて、活動終了の可能性もあったようですが、ソロ活動を経て再びバンド活動の継続に前向きに取り組むようになり、新作アルバムが無事完成・リリースされました。

制作の過程で直面したパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻、そして何より盟友アンディ・フレッチャー(Key,B)の死という3つの要素が大きく影響しているとのこと。”Memento Mori”・・ラテン語で"死を想う"あるいは"自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな"という警句ですね。ロック/ポップスの世界でもたびたび用いられるワードですが、ここまで真に迫るものもなかなかないのでは。

Depeche Mode - Ghosts Again (Official Video)


15位 Late Developers / Belle And Sebastian

相変わらずお部屋に飾りたくなるジャケが素敵なベルセバさん

英国グラスゴーの至宝ベル・アンド・セバスチャン(ベルセバ)、前作からわずか半年程でまさかの新作。その前は7年空いてるので、どーしたの?とゆう感じですが、実際は前作とほぼ同時に行なっていたセッションでできた曲を仕上げた様子。

かと言ってアウトテイク集とかB面集といった雰囲気ではもちろんなく、いかにもベルセバといった曲と新規軸とがほどよく混じって、聴きごたえのある好盤でした。自分としては、前作「A Bit of Previous」があまりしっくりこなかったので、本作もあまり期待していなかったんですが、嬉しい驚きでした。

特に個人的に一番ベルセバらしいなぁと感じた「When The Cynics Stare Back From The Wall」はバンド結成前夜から存在した楽曲で、カメラ・オブスキュラトレイシーアン・キャンベルとともになんと30年越し(!!)に完成させたとのこと。こういう話が一番好きなんですよねぇ・・。ブライアンウィルソンの「Smile」とか、GN'Rの「Chinese Democracy」とか。どこにそんなに苦労したのかよくわからない自然さですが、ありがたみが増すというものです笑

Belle and Sebastian- "When The Cynics Stare Back From The Wall" (Official Audio)


14位 GUTS / OLIVIA RODRIGO

ハタチでこれって人生何周目???

一昨年の1st「SOUR」の大ヒットに続き今年の年間ベストでもベスト10位入りが目立ち、いよいよ世代の顔になった感もある米カリフォルニア出身・ロサンゼルス在住のシンガーソングライター、オリビア・ロドリゴ(20)の2nd full Album。・・てゆうかまだ20歳なのか・・・。

1stの時点で凄い完成度だったので特にびっくりはしませんでしたが今作も異様に完成度高いですね。それでいてこの位置にしたのは単に今年はわたしにとって重要すぎるアーティストの作品で上が大渋滞してるから、ほんとそれだけです。

オフにわざわざ東京にやってきていちご飴にかぶりつくお茶目なロドリゴさん(↑)

「vampire」のMV(何かのアワードの舞台上で歌っている途中に落ちてきた照明が激突、火花が散り燃え上がるステージで血だらけになりながら歌い続けるもスタッフ(?)に連れ出されそうになり・・みたいな)は今年の観たMVで一番良かったです。・・意味はよくわかんないけど笑

Olivia Rodrigo - vampire (Official Video)


13位 Tension / Kylie Minogue

ハタチのロドリゴちゃんと並べても違和感ないのがすげえ・・

豪ビクトリア州メルボルン生まれのシンガーソングライター/女優のカイリー・ミノーグ(55)。歌手としては1987年デビューなのでもうかなりのベテランですね。前作「DISCO」は英/豪ともに大ヒット、特にイギリスでは1980年代から2020年代まで5年代で1位を獲得した最初のアーティストになったとのこと。

わたしは全然追ってなかったので、なんなら'80年代の初期ユーロビート時代(Stock Aitken Watermanプロデュース=PWL!!)のイメージが強すぎて、2023年にカイリー・・入れるかぁ・・うーん・・と思ったんですけど、何回聴いてもめちゃくちゃいいんですよねこのアルバム・・。聴くたびにいや、もっと上・・やっぱりあともうちょっと上かな・・と書き直してたらいつの間にかこんな位置に笑

Kylie Minogue - Hold On To Now (Official Lyric Video)


12位 The Land Is Inhospitable and So Are We / MITSKI

消えかけた暖炉にひとり、薪をくべるような 暖かい孤独

日系アメリカ人のシンガーソングライター・ミツキことミツキ・ミヤワキ(33)の7枚目のアルバム。三重県の生まれで、父親の仕事の都合から各国を転々とし、18歳でアメリカに定住するまで7カ国で暮らしてきたそうです。

ナッシュビルのBomb ShelterLAのSunset Sound Studioでレコーディングされた暖かく親密な手触りのバンドサウンドに加え、曲によってはオーケストラと計17人のクワイア(合唱隊)が参加した本作は、揺蕩うような気だるいサウンドにまるですぐそばにいるような彼女の心地よい声が重なり、いつまでも聴いていられる本当に美しい音楽。2分台の曲も多く、11曲で32分とコンパクトながらしっかり心に残ります。

Mitski - My Love Mine All Mine (Official Video)

「私の人生で最高のことは、人を愛すること。死後、私が持っているすべての愛を残せたらと思う。そうすれば、私が創り出したすべての善意、すべての善良な愛を、他の人々の上で輝かせることができる」とMitskiは言う。 彼女は『The Land Is Inhospitable and So Are We』が、自分が死んだ後もずっとその愛を輝かし続けることを願っている。このアルバムを聴くと、まさにそのように感じられる。

Tower Record Onlineより

YouTubeではオリジナルの英語版に加え多数言語(日本語/タイ語/スペイン語/インドネシア語/ベトナム語など)によるリリックビデオを公開しており、歌詞を伝えることに心を砕いている様子が伺えます。スライドギターの音色に揺られつつ孤独な風景の中にじんわりした温もりを感じる「The Frost」もお気に入り(これもクワイアは入ってないけど)

Mitski - The Frost (歌詞和訳リリックビデオ)


11位 So Much (For) Stardust / FALL OUT BOY

いやぁ、バンドって本当にいいもんですね~それではまた来年!(まだ終わってない)

2001年に結成、2003年にデビューした米イリノイ州シカゴの郊外ウィルメット出身4人組ロックバンド、フォールアウトボーイ。今年はデビュー20周年ということで、約5年振り、通算8作目の今作をリリース。

初期3作を手がけた旧知のプロデューサー(ニール・アヴァロン)のもと、時間をかけて慎重に制作されたという今作は、よく練られており楽曲も最高ながら、ベテランだからと変に落ち着くこともなく、終始高い熱量で迫ってくる快作。私事ですが、本作リリースの頃、ちょうど高校時代につくったパワーポップっぽい曲のリメイクに取り組んでいたので、ハマってこればっかり聴いてました。

冒頭のリード曲「Love From The Other Side」のような、いかにもFOBといった疾走感のある曲も良いですが、個人的には「Fake Out」そして「So Good Right Now」の底抜けの明るさとキャッチーさがすごくグッときたのでそっちを貼っておきます。

Fall Out Boy - Fake Out (Official Audio)

Fall Out Boy - So Good Right Now (Official Audio)


と、いうことで2023ベストアルバム30【洋楽編】20位〜11位でした!
次はいよいよ10位から1位!! (どうしようおせちつくんないと・・)

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