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選挙について、大事なことなんでちょっと聞いてもらっていいですか?

新型コロナのパンデミックという状況下、
いろんな意味で前代未聞の衆院選が始まりました。
「総選挙」とも呼ばれる衆院選は、首相を含め政権を構成する
衆院議員全員を総取り替えできる、めちゃくちゃ大事な選挙です。
政治の私物化、縁故主義の極みである自民党支配の政治は
このままでいいのか?を問う選挙なんです。
今回の選挙について、くわしい話をする前に、
いったいどうしてこんなひどいことになったのか、考えてみませんか。

自民党政権を支え続ける「選挙で投票に行かない人」

毎度繰り返しになりますが、自民党が長期政権を続ける最大の理由は
「多くの国民が投票に行かないから」です。
どんなに社会が混乱し、利権政治がのさばり、国民生活が疲弊し、
命の危険さえ脅かされようともそれが「自分が選挙に行かないせい」
だとは思わない多くの人たちによって、自民政権はずっと支えられて
いるのです。
「生活が苦しくて、選挙どころじゃない」という人いますよね?
えっ、それ逆なのに。
「政治が嫌いなんだよ、そもそも関心がない」という人もいますよね?
自分が嫌いでも、政治があなたの生活を変えていきます。
どんなに無関心でも、無関係でいることはできないのです。
だいたい政治が好きだから選挙に行くわけでもないんですけどね。
「選挙なんてどうせ組織票が動いて決まるんでしょ」という人もいますね?
つまり自分の1票なんてなんの効力もないと思ってる。
しかし、組織票といわれるものも個人の1票の集合体であることに変わり
はないのです。だから、あなたの1票は「無党派層」あるいは「浮動票」と言われる最大の組織票の一部なんです。
今の暮らしに不満がある人、将来に不安がある人、はちゃんと投票に
行きましょう。よくよく考えた末にやっぱり今の政権でいい、
というならそれでもいいのです、投票に行きましょう。
少しでもよくしたい、少しでもマシな方へ動かしましょう。
身近な人と選挙について話してみることが大事です。
とにかく、自分で考えて投票に行きましょう。
*今回の衆院選についてはこちら(→みんなで選挙の話をしよう

#なぜ投票率を上げることが大事なのか

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では、どうして「選挙で投票に行かない人」が自民党政権を支え続けることになるんでしょうか。
2012年第二次安倍政権になってから国政選挙の投票率は常に50%台と
低調、メンバーの半数が欠席した会議で決を取っているようなものです。
(地方選挙に至っては30〜40%台が当たり前のような状態!)
実にこの投票率の低さが自民党政権を支えているのです。
このように低い投票率だと、自民党の得票率は絶対値にすると20%にも
満たず、有権者全体の80%は自民党に投票していないことになります。
にもかかわらず、獲得議席率の割合は上がるというマジックが起こります。

やはり「自民党政権の最大の支持母体は、投票に行かない人たち」です。
その証拠に、10ポイント高い約7割69%の投票率だった2009年の衆院選では
自民党は大敗、結果麻生政権は倒れました。

お店にたとえるなら、自民党に投票する多くは、なじみの常連さんや
なんとなく「他よりよさそう」という固定客です。
その反対に、気分によって行く店をちょくちょく変える客や
グルメサイトをよく研究して店選びをする人たちがたくさんいます。
そしてなにより「めんどくさいから家で寝てよう」という人たちが
一番多いという事実!
だから、投票に行かずに寝ていてくれというのが、現政権側の本音です。
このような選挙で「民意を得た」といって、またぞろやりたい放題の
腐敗政治がくりかえされていいはずがありません。

画像22017年の衆院選比例区(投票率53%)のデータ

投票率50%ってどういうこと?

投票率50%の危険性、まだちょっとピンときませんよね?
たとえばこういうことです。
10人のメンバーで、外食することになってどこに行くか決める時、
半数の5人が「私たちはどこでもいいので、そっちで決めて」と
決に加わらなかったとします。
そして残る5人のうち3人が、あらかじめ自分たちだけ割引がきく
「ぼったくりだという噂のあの店」にしようと示し合わせていたら、
どうなるでしょう? 10人全員がその3人の決定に従う結果になり、
7人は有無を言わさず不利益、不公平を被るわけです。
つまり参加者5割の多数決だと、全体の3割の意見で物事が
決まってしまうということです。
これが選挙の場合、投票率50%だと全体のわずか26%の意向で
決まってしまう。

これはどう考えてもまずいですよね。

ジャパニーズ・ユートピアはどこにあるのか?

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スパイク・リー監督による映画化で話題となったデヴィッド・バーンの
衝撃的感動のステージ『AMERICAN UTOPIA アメリカン・ユートピア』
デヴィッド・バーンは、アーティストとしての表現の中に常に移民問題、
人権や人種差別あるいはジェンダーなど社会の問題を提示し、そして
これら問題の原因が選挙の投票率にあるのだというメッセージ、
”GO VOTE”を訴えています
ステージでは、アメリカの地方選挙の投票率が20%しかないことを
語りながら、「たったこれだけ!」と、客席の20%に照明を当ててみせる。
「選挙というのは、この国がこの先どんなふうにやっていくのか、どこへ向かい、どんな決断がなされるかといった部分に自分たちが関わることのできる、実に大きなチャンスなんだよ。」(デヴィッド・バーン)

まったく涙が出るほどデヴィッド・バーンの言う通り。
いつも選挙に行かない無関心な人たち(特に若い人たち)にはたらきかけ、
一人でも多くの人が投票に行くことが、民主主義の再生につながるというのは、どの国でも同じです。
実際にせいぜい55%止まりだったアメリカの大統領選挙も、2020年には
投票率66.7%を記録し、共和党から民主党へ政権交代を果たしました。
「選挙に行っても何も変わらない、のではなく、選挙に行かないから
変わらない」
のです。
投票率が上がれば、確実に政治は動き、社会は変わります。
今、この国の未来はひとりひとりの行動にかかっています。
だから投票に行きましょう。GO VOTE!!!

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デザイナー、美術家、料理家。イタリアはヴェネツィアに通い、東京においても小さなエネルギーで豊かに暮らす都市型スローライフ「ヴェネツィア的生活」を実践しています。ヴェネツィアのマンマから学んだ家庭料理と暮らしの極意を伝えます。